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2022年03月24日

ロシアの侵攻で露呈「安倍政権」重すぎる負の遺産



東洋経済オンライン
ロシアの侵攻で露呈「安倍政権」重すぎる負の遺産
北方領土問題はマイナスからの仕切り直しに
星 浩 2022/03/24 10:30


プーチン大統領との「個人的信頼関係」をアピールしていた安倍晋三元首相(写真:Kim Kyung-Hoo/Bloomberg)© 東洋経済オンライン プーチン大統領との「個人的信頼関係」をアピールしていた安倍晋三元首相(写真:Kim Kyung-Hoo/Bloomberg)
 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナ侵攻は、日本とロシアとの懸案である北方領土交渉を大きく後退させた。安倍晋三元首相は、首相在任中にプーチン氏との「個人的信頼関係」をアピール。それまでの4島一括返還の原則を事実上、「2島先行返還」に交渉条件を引き下げて成果を出そうとしたが、ロシア政府は3月21日、外務省声明を出し、ウクライナ侵攻に対する日本政府の経済制裁などを理由に交渉の打ち切りを宣言した。

 北方領土問題は振り出しどころか、マイナスからの仕切り直しとなる。日本側の見通しの甘さによって領土問題が大きく後退した経緯は厳正に検証されなければならない。

第2次安倍政権の日露首脳会談は24回



 2012年から7年8カ月続いた第2次安倍政権で、安倍首相(当時)とプーチン大統領との日露首脳会談は24回に上った。安倍首相は「シンゾー、ウラジーミルの個人的信頼関係が構築された」と強調。北方領土問題で次々と妥協案を提示した。

 2016年5月、ロシア南西部のソチで開かれた日露首脳会談で、安倍首相は領土問題解決と平和条約締結に向けた「新しいアプローチ」を提案した。これは「日露双方に受け入れ可能な解決策」を作成しようというもので、領土問題を事実上、わきに置いて①医療、②都市環境整備、③中小企業、④エネルギーなど8項目の経済協力を進めようという内容だ。2014年のクリミア編入で欧米から厳しい経済制裁を受けていたロシアにとってはありがたい「支援」だった。

 安倍首相は2016年9月にはロシア極東のウラジオストクを訪問。スピーチでは、会場にいたプーチン大統領に向けて「ロシアと日本が今日に至るまで平和条約を締結していないのは異常な事態だと言わざるをえません」「ウラジーミル、私たちの世代が勇気をもって責任を果たしていこうではありませんか」「この70年続いた異常な事態に終止符を打ち、次の70年の日露の新たな時代を共に切り開いていこうではありませんか」と述べた。

 同年11月にはプーチン大統領が山口県長門市を訪問。安倍首相との首脳会談が開かれ、領土問題での前進が期待されたが、平和条約問題に向けた「真摯な決意」を確認するにとどまった。

 2018年11月、シンガポールで開催された日露首脳会談で、安倍首相は領土問題でさらに譲歩する。1956年に当時のソビエト連邦と日本が合意した共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させることでプーチン大統領と合意したのである。

慎重論を押し切る形で共同経済活動を推進
 日ソ共同宣言は、平和条約締結後に北方4島のうち歯舞、色丹の両島を日本に引き渡すことを明記している。日本にとっては、歯舞、色丹のほか国後、択捉の4島一括返還を求めてきた基本方針を改め、「歯舞、色丹の2島先行返還、国後、択捉は継続協議」の路線に譲歩することを意味する。

 さらに安倍首相は、一連のプーチン大統領との会談で、北方領土内でロシア共同経済活動を進める方針を表明。日本の外務省内には、日本とロシアとの主権をあいまいにした形での共同経済活動に慎重論があったが、安倍首相側が押し切る形で続けられた。

 安倍政権では、安倍氏自身がレガシー(政治的遺産)として北方領土問題の解決と平和条約の締結に強い意欲を持っていた。側近の今井尚哉・首席秘書官(経済産業省出身)は外務省が中心となって進めてきた北方領土交渉に対して「アイデアがない」と不満を表明。経済支援を先行させて領土問題を解決に向かわせるべきだと主張していた。

 領土問題で安倍首相が妥協する形で進められた日露交渉だが、プーチン大統領からは明確な合意方針が示されないままだった。ロシア側としては、領土問題での姿勢をあいまいにしたまま、日本からの経済支援をできるだけ引き出そうという計算があったのは明らかである。

 2020年9月に安倍首相が退陣、後継の菅義偉政権、岸田文雄政権でも北方領土問題での進展は見られなかった。そうした中で、ウクライナ情勢が緊迫。2月24日にロシア軍の侵攻が始まった。岸田首相は、欧米各国と足並みをそろえ、ロシアの侵攻を「力による現状変更の試み」として厳しく非難。プーチン大統領らロシア要人の資産凍結や最恵国待遇の停止などの経済制裁に踏み出した。

 ロシアのウクライナ侵攻は、軍事拠点だけでなく病院や学校なども標的とされ、子供を含む市民の犠牲者が急増している。ロシア軍はウクライナ軍の抵抗の前に苦戦を強いられており、日本や欧米による制裁でロシアの市民生活も疲弊している。

 そうした中で、ロシア政府は日本との北方領土・平和条約交渉や共同経済活動の打ち切りを通告。岸田首相は「今回の事態はすべて、ロシアによるウクライナ侵攻に起因している」「日露関係に転嫁しようとするロシアの対応は極めて不当で、断じて受け入れられない」と反発している。日露関係が大きく後退することは必至だ。

不法占拠された4島の一括返還を求めるのが当然
 そもそも、外交交渉は国力や国家の歩みを反映するものでなければならない。日本が太平洋戦争での敗戦から立ち直ろうとしていた1956年にソ連との間で合意した共同宣言で「歯舞、色丹2島の引き渡し」が明記された。当時の日本は国際社会への復帰もままならず、経済も回復途上だった。その後、平和憲法の下で経済成長を成し遂げ、国際社会でも経済協力を拡大、先進国の仲間入りを果たした。

 一方のソ連・ロシアはどうか。チェコスロバキアに軍事介入(1968年)して民主化を弾圧。アフガニスタンにも侵攻(1979年)して傀儡政権をつくった。ソ連崩壊後もロシア国内では民主化の動きを押さえ込み、2014年にはウクライナのクリミアに軍事侵攻して併合。これには国際社会からの制裁が続いている。

 そうした両国の歩みを考えれば、北方領土交渉で日本が1956年の合意を超えて、ソ連・ロシアに不法占拠されてきた4島の一括返還を求めるのは当然であり、譲歩すべきなのはソ連・ロシア側である。日本外交はそうした原理原則を掲げたうえで、交渉を進めるべきだったが、安倍政権では成果を焦るあまり、前のめりの姿勢で妥協案を提示し、プーチン大統領にかわされ続けたのが実態だ。

 プーチン大統領にとってみれば、レガシーづくりを狙う安倍氏の足元を見ながら経済支援を引き出し、日本との友好関係を強調することでアメリカなどG7の足並みの乱れを誘おうとしていたことは明らかだ。日本政府も国会も、安倍政権以降の一連の対露外交の経緯について、交渉の内容や経済協力の中身などを詳細に検証し、国民に公開しなければならない。

 ロシアによるウクライナ侵攻に対する日本を含む国際社会の制裁は、ロシアによる北方領土交渉の打ち切り通告という報復につながった。この戦争では、仮にロシアがウクライナの主要都市を制圧したとしても、ウクライナ側の抵抗はやまないし、国際社会からの制裁は継続する。最終的にロシアが「戦争の勝者」となる可能性はないだろう。遠からず、プーチン大統領がどのような形で権力を失うのかが焦点となってくる。

信頼してはいけない人を信頼してしまった
 ウクライナ戦争が終結し、ロシアの政治情勢が新局面に移ることがなければ、日露の外交交渉が本格的に再開することはないだろう。ただ、その場合でも、北方領土交渉はかつての「4島一括返還」ではなく、安倍政権下で示された「2島先行返還」を基礎に始まる可能性が大きい。「ゼロからの出発」ではなく「マイナスからの出発」を余儀なくされそうだ。安倍政権の「負の遺産」は日本外交に重くのしかかる。

 安倍氏の一連の対露外交について、外務省の事務次官経験者がこう語っている。

 「世界の政治家は2種類に分けられる。プーチン氏を信頼する政治家と信頼しない政治家だ。安倍氏やトランプ前米大統領は前者、バイデン米大統領やメルケル前ドイツ首相は後者だ。ウクライナ戦争を見ればわかるが、安倍氏は信頼してはいけない人を信頼してしまった」


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Posted by おだっちのなたね油 at 21:04Comments(0)外 交