さぽろぐ

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2008年07月07日

アイヌモシリを森の国に

  6月28日札幌市・共済ホール
  国際シンボジュウム
 「救おう森のいのち・考えよう森の未来」

 

 

 「アイヌモシリを森の国に」
 市川守弘氏(弁護士:日本環境法律家連盟理事、ザ・フォレストトレンジャーズ代表)

私たちの住む北海道は、今の私たちがみたことのない巨大なミズナラやハルニレ、エゾマツが生い茂り、森から流れる水は多くの河川となって豊かな平野をつくりながら海に注いでいた。台地にはエゾしかはろちろん、ヒグマ、シマフクロウ、クマゲラ、ナキウサギなど今ではナカナカ見ることが出来ない多くの動物が生息し、川にはオショロコマが泳ぎ、秋には溢れるばかりのサケが遡上した。そして北の大地にはアイヌの人々が暮らしていた。

明治以降、北海道は、森林資源、鉱物資源、海産物資源など富国強兵の資源供給地として開発されていった。今も資源収奪は続いている。森林はかって以上の野蛮さで現在も伐採され続けている。伐採による土砂が川に流れ込み、オショロコマは幻の魚となり、自然遡上するサケはほとんどいなくなった。私たちは、この事実を前に、今何をすべきなのか問い直すことが求められます。

 

上ノ国でも、えりもでも・・・

道南では、北限の保安林内の天然ブナが、林野庁によって大量に伐採された。北海道は、木材生産のための伐採はしないと決めていながら、えりもの道有林の保安林内で天然林を皆伐した。そして、国立公園特別地域でも「風倒木処理」を名目として皆伐状態にされた。
沖縄のやんばるでも沖縄県によって縦横に林道が造られ皆伐が行われている。これらの伐採を、すべて林野庁と沖縄、北海道という生物多様性を保全する義務を有する行政自身が行っていることが大問題である。

 

市民運動と制度改革

上ノ国では、883本の伐採予定なのに1087本伐採したことを盗財行為として刑事告発した。えりもでは、道条例違反として住民訴訟を提起した。沖縄でも住民訴訟が提起されている。告発の結果、道南では森林管理局が今後ブナやヒバの天然林は伐採しないことを決定し、えりもでは、事実上周辺の天然林の伐採は中断している。
沖縄でも環境調査として林道工事が延期された箇所がでてきた。しかし、全国で、森林、特に天然林の伐採を止めなければならない。アイヌモシリ(北海道)を再び森の大地にするために、全国手天然林の伐採に反対する市民運動が求められている。

日本では、自然を守る法制度があまりにも真弱である。種の保存法は指定種が少ない上に、生息地の改変、生息環境の悪化に対し何の規制もない。自然公園法では林野庁の行為に対しほとんど規制が及ばない。
環境影響評価法の対象に森林伐採は含まれず、この制度はそもそも開発することを前提とした「評価」でしかない。新しい法制度の確立のために、生物多様性条約の締結国として、森林とそこに棲む野生生物を保全する義務を課させることが重要である。

市川氏は、日米の法制度の比較を次のようにしながら、天然林の伐採をやめさせ、市民のための「森の国」にするために全国で市民運動を起こすことを呼びかけました。

日米法制度の比較
 日 本
1、絶滅のおそれのある種の保存に関する法律
 * 国内希少野生動植物の指定は約70種のみ
 * 保護対象は此処の生物の捕獲、採取、殺傷、損傷のみ
 * 生息地、生育地は保護されない
 
2、厳正自然保護地域(自然環境保全法)
 * 範囲が狭く、森林保全に役立たない
 * 全国で5箇所5,631ha

3、自然公園法
 * 国立公園内で伐採ができる
 * 環境省は「許可権」を持つが実際は林野庁の判断が優先

全国で市民運動を起こそう

 法制度が真弱でも将来の世代のためにできることからはじめよう
1、上ノ国違法伐採に対して職員を告発(檜山・渡島における天然林伐採の中止)
2、えりも道有林伐採に対して住民訴訟(事実上伐採中止)
3、沖縄やんばるでも住民訴訟(一時的に中止)

市民のための「森の国」にするための要求

1、国立公園内での伐採を全面的に中止
2、国有林内での天然林の罰祭の中止
3、生態系の保全を中心とした制度の確立



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Posted by おだっちの菜の花油 at 07:44Comments(0)議員活動