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2010年02月01日

「循環型農業で産業興しを」



 ナタネ(菜の花)を栽培し、
 「食べて楽しみ、花で楽しみ、観光客を増やす」。
 「ナタネ油を搾って特産品をつくり、搾りかすを土に返すことを目指す」
 循環型農業で農業振興の実現を目指していこうと、
 「天の川・菜の花プロジェクト」(柳原直昭代表・会員数180名)が主催して、
 「天の川菜の花フォ-ラム」を開催しました。

 町内や江差町、乙部町、北斗市などから約50人が出席しました。

          アドバイザ-を代表して挨拶する工藤上ノ国町長


  柳原代表や尾田孝人事務局長は、
 「天の川・菜の花プロジェクト」を結成するに当たって、
 菜の花栽培に取り組んでいる、
 「あきた菜の花ネットワ-ク」を訪問して現地調査を実施し、
 指導援助を仰いでいる同ネットワ-ク事務局長の鈴木秀雄氏と、
 秋田県立大学の日向野三雄教授と
 渡部岳陽助教を講師に招きました。

         「あきた菜の花ネットワ-クの取り組みについて」と題して
                講演する鈴木秀雄事務局長



 鈴木氏は、あきた菜の花ネットワ-クの取り組みは、
 「秋田流」菜の花運動の基本理念として
 (1)秋田の農業と農村を元気にする。
 ロ-テク・ロ-コスト方式で、
 できるだけ多くの人や地域と一緒に取り組む

 (2)「資源と」エネルギ-の地産地消」を進め、
 環境保全の効果を最大限に。
 小地域で菜の花「循環」システムをつくると言う理念で、
 県内で土地条件が悪く耕作放棄地となっている農地に、
 菜の花を咲かせて地域を元気にさせることと、
 地域の農業者や高齢者がナタネ油を搾って、
 新しい物づくり(食品開発)や、食廃油を回収して、
 環境にやさしい燃料(BDF)をつくり、
 運送会社の燃料や農業機械の燃料づくりの
 取り組みを進めていることを報告。

 秋田港湾の埋め立て地10ヘクタ-ルを県から借り、
 秋田クボタ農機株式会社がボランティアで耕して
 「菜の花」を植え花を咲かせ、
 「花フェスティバル」を2日寒開催したら
 2万人以上が集まったこと。

 フェスティバルの準備や催し物には、
 県立大学の先生や学生ボランティアて多数参加して、
 大成功して開催できたことなども報告しました。

 そして「秋田流」モット-の一つ目は、「みんなで一緒に取り組もう」。
 情報はオ-プン: 「良いものは皆で共有化」
 メンバ-構成は多彩(民・産・学・官)、来る者拒まず

 「秋田流」モット-の二つ目は、「安く手軽に」。
 ロ-テク・ロ-コスト型のBDFづくりを推進
 つくったBDFは自家利用が基本

 「秋田流」モット-の三つ目は、「環境負荷を限りなくゼロに」。
 「小地域」「小資材」「高収量」「多段階」
 農村における「スモ-ル」ビズネスモデルづくり
 を掲げて取り組んでいます。
 この取り組みは、「挑戦するやる気」があれば、
 どこでも実現可能なことですと結びました。


    「収量増は土台づくりから」~秋田県におけるナタネ栽培実証試験~
               と題して講演する県立大学渡部岳陽助教



 渡部助教は、秋田県立大学は
 「秋田菜の花栽培技術確立プロジェクトチ-ム」を、
 各教授らで横断的に組織して取り組む体制をつくって
 (2006~2008年度)取り組み始めたこと。

 同プロジェクトチ-ムの取り組みで、
 秋田県のような積雪寒冷地においても、
 土づくり(排水対策、石灰散布)、
 適期播種、適期追肥、適期刈り取りなど
 基本技術の徹底により、
 一定の収量のナタネを確保できる。

 しかし、秋田県では米生産調整に関連して、
 条件の劣悪な水田における
 ナタネ栽培が非常に多いこと。

 安定・増収に結びつける具体的な手段や方法、
 連作障害の回避方策について、
 未解明の課題が残ったこと。

 そこで、菜の花栽培を行う上で最低必要となる
 「土台技術」(排水対策)の確立と、
 連作ほ場において
 「ナタネ収量を安定及び増加」させるための、
 技術確立を目指し、
 取り組みを2009年秋から実験スタ-トし、
 魅力ある作物として定着できる成果が出ることを
 期待していることを報告しました。

           「冬期間のBDFの使用について」と題して講演する
                    秋田県立大学日向野三雄教授



 日向野教授は、大学の研究センタ-で
 食廃油を原料としたBDF燃料や、
 エンジンの開発を研究していること。

 これからの農業は、ナタネ栽培等で
 自分の畑から生み出した生産物で、
 環境にやさしい油を農業機械などに
 使用する農業を行う時代になっていく。

 今すぐ高収益に結びつかないかもしれないが、
 その取り組みが農業生産物の付加価値を高めていくことに、
 つながっていくことになるという
 視野を持つことが重要ですと述べました。

               参加者の質問に答える渡部助教


 「フォ-ラム」の出席者との意見交換会では、
 ナタネ油を原料とした多商品の開発は
 どのように取り組んでいるのかとの質問に、
 鈴木事務局長は、
 県内在住の料理研究家(ネットワ-ク理事)に、
 菜の花料理教室を開催していただき、
 ナタネ油や菜の花を活用した料理に
 さまざまなチャレンジをしている。
 4月には「菜の花ロ-ルケ-キ」が販売される。

 また、学校給食にナタネ油が使用されることになった。
 さらに「米粉を100%使用した菜の花うどん」の施策に
 取り組んでいるなどと答えました。

 また、菜の花を活用してミチバチを導入して、
 町内産のハチミツを売り出すことも出来るのではないかとの意見や、
 ナタネ油や菜花と水産物を活用した
 料理教室を開催していただきたいとの要望もだされました。


      閉会の挨拶をする江森健司檜山農業改良普及センタ-所長



                   上ノ国の菜の花を視察する講師皆さん
 左側からな柳原天の川・菜の花ブロジェクト代表、日向野教授、鈴木事務局長、渡部助教の各位



 来町した講師の皆さんは町内に一泊し、
 秋田に帰る前に「風車の丘」に植えられている
 ナタネの生育状況を視察しました。

 来町された各講師先生は上ノ国のナタネ畑に立って
 開口一番、やっぱり上ノ国の菜の花は「ばけもの」、
 上ノ国の景色は秋田も負けます。
 菜の花の咲く風景が目に浮かびます。

 上ノ国の町民の皆さんが、この菜の花を生かすことです。
 生かさなければなりません。と提言し
 帰途に際して、畑の土とナタネの株を分析したいと持参して帰途につきました。

 「あきた菜の花ネットワ-ク」事務局長の鈴木秀雄氏、
 秋田県立大学の日向野三雄教授、渡部岳陽助教先生には、
 公私多忙にもかかわらず、「天の川・菜の花フォ-ラム」の講師を快諾し、
 馳せ参じてご講演いただきましたこと、誠にありがとうございました。

 また、当日多数の皆さんが町内外から
 ご出席していただきましたことに感謝申し上げます。

        「天の川・菜の花プロジェクト」
                   代表  柳 原 直 昭



 


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Posted by おだっちの菜の花油 at 23:43Comments(0)