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2012年03月07日

平成24年度町政執行方針



 平成24年第一回定例議会が6日開会され、
 工藤昇町長が「平成24年度町政執行方針」の述べました。

   平成二十四年度町政執行方針

町議会の皆さん、町民の皆さん、平成二十四年第一回上ノ国町議会定例会開催に当たりまして、私の町政執行に対する基本姿勢と施策の方針について申し上げ、皆さんのご理解とご協力をお願いいたしたいと思います。

昨年、三月十一日、かつてない日本の国難と言うべき東日本大震災が発生し、早一年を経過しようとしていますが、遅々として進まない復興と破壊された原子力発電所からの放射能漏れによる被害が大きな問題となっております、このことから、既存の原子力発電所の利用を含め、原子力利用の是非が大きな課題となり、今後のエネルギー政策が混沌とした状況となってきております。

上ノ国町としましても、最大限の被災者支援をおこなって参りましたが、この大震災を対岸の火事とすることなく、防災計画の変更、津波に対するハザードマップの作成、避難路の整備・設置など、ソフト・ハード両面から防災対策を進め、安全安心な町づくりを推進して参る所存であることを、冒頭に申し述べさせていただきます。

さて、私は一貫して私自身の基本姿勢として、私達町民一人ひとりが現状を自覚し、そして一人ひとりがこの町を変えるという意思を表してくれるということを確信して、町政を執行して参りました。
平成十七年度からスタートさせた五年間の上ノ国町行財政改革、通称「自立プラン」の改革期間を終了しましたが、町民の皆さんのご協力をいただいたことにより、行財政改革・組織機構改革を果たすことができ、財政の健全化は着実に推進されてきている状況にあります。
しかし、産業基盤の強化については残念ながら達成できていない状況にあり、本町の基幹産業である農業・漁業の活性化が急務となっております。

このようなことから、私は、安全安心な町づくり・産業基盤の強化を念頭に置き、町民皆様のご参加をいただいて策定いたしました、第五次上ノ国町総合計画で示された基本理念を行政推進の基軸として捉え、これまでの基本的な姿勢を堅持しつつ、今後の町政執行に当たって参ります。
本年度予算には、同計画の将来像であります「一人ひとりが輝くまち、暮らしやすいまち、協働で未来を築くまち」実現のため、五つの基本目標を掲げた施策を、計上させていただきました。

第一に、創意工夫で地域の活力を起こす産業交流のまちづくりとして、
まず、農業と林業の振興について申し上げます。

農業につきましては、本町の特性を活かした作物の産地化を推進し、付加価値の高い農産品作りに取り組むとともに、農地の流動化と集団化など効率的な利用を図り、担い手の確保と育成、生産基盤の整備などを進め、多面的機能を発揮する持続可能な農業を目指します。このため、生産・加工投資資材補助事業等、具体的な施策を展開し農業生産基盤の充実を図ります。

林業につきましては、森林の持つ多面的機能の持続的発揮と森林吸収源対策に向け、計画的な森林整備の推進及び保全に努めるとともに、民有林・町有林整備事業等の施策を展開し計画的な森林施業を促進します。
次に、水産業の振興について申し上げます。
活力ある水産業の確立に向けて、担い手の育成・確保対策、漁業基盤の整備、水産資源の確保や地域の水産物のブランド化を推進するため、地場水産物加工流通施設整備事業・ニシン種苗生産事業等、具体的な施策を展開して参ります。

次に、商工業と観光振興について申し上げます。
商工業につきましては、にぎわいと活力あふれるまちづくりの一環として、商工会と連携し、魅力ある商業環境づくりを進め、商業の活性化を図ります。また、地域経済の活性化と雇用の場の確保に向け、既存企業の体質改善を目指します。このため、具体的な施策として商工業活動への支援、特産品開発、新産業創出等への支援をして参ります。

観光振興につきましては、交流人口の拡大と地域活性化に向け、多様化、高度化する観光・レクリェーションニーズに即した多面的な取り組みを一体的に推進し、観光・交流機能の拡充に努めます。このため、観光団体育成・支援事業等、広域観光体制の充実を図りPR活動を推進します。
次に、新エネルギーの導入促進について申し上げます。
風力など町の特性を生かした新エネルギーを有効に活用するとともに、新エネルギーの活用促進を重点施策として推進します。

第二に、だれもが安心して生涯健やかに暮らせるまちづくりについては、
まず、健康づくりの推進について申し上げます。
すべての住民が健康で元気に暮らせるよう、「自分の健康は自分で守る」ことを基本とし、健診や各種保健事業の充実とともに、地域・行政・医療機関などが連携した健康に関する教育・指導・相談などの体制を整え、住民が主体となる健康づくりを推進します。具体的な施策として、健康づくり意識の高揚を図るとともに、特定健康診査とがん検診の充実、母子保健活動事業の推進、精神保健対策を実施して参ります。

次に、地域医療の充実について申し上げます。
医療ニーズの高度化、多様化に対応し、地域で安心な医療が受けられるよう、医療機関と連携した医療体制の充実を図ります。具体的な施策として、石崎診療所の外来診療の確保等地域医療体制及び救急医療を充実させ、地域医療を推進します。

次に、子育て支援の充実について申し上げます。
保育サービスの充実をはじめ、安心して子どもを産み育てられる環境づくりに取り組むとともに、子育てに関する学習や交流を通じて家庭の育児能力を高めるよう努めます。具体的な施策として、子育て・要保護児童支援の充実、保育サービスの充実や保育所のあり方を検討し、子育て支援を推進して参ります

次に、高齢者福祉と障がい者福祉の充実について申し上げます。
高齢者福祉につきましては、高齢者が住み慣れた地域でいきいきと暮らせるよう、社会参加や在宅生活への支援を充実するとともに、ともに支え合う地域づくりの推進に努めます。このため、安心して暮らせる住みよいまちづくりと生きがいづくりを推進し、高齢者福祉の充実を図って参ります。
障がい者福祉の充実につきましては、障がい者が地域社会の一員として自立した生活が出来るよう、自立支援サービスの定着や充実を図るとともに地域で関わり合える社会環境づくりを推進します。このため、障がい者の支援体制と子ども発達支援センターを充実させ、啓発活動等を実施します。

次に、地域福祉の充実について申し上げます。
住み慣れた地域で安心して暮せる環境づくりに向けて、社会福祉協議会を中心として、ボランティア団体などとの連携を持ち、地域も交えた福祉の向上に努めます。このため、ボランティア意識を普及させ、社会福祉協議会・民生委員等の活動を支援し、地域福祉の充実を推進して参ります。

第三に、自然と共生し美しくゆとりある安全安心のまちづくりについては、
まず、防災対策の推進について申し上げます。
自然災害からの安全確保に向け、防災施設の整備など地域防災の体制強化、海岸・河川の保全、治山事業の推進に努め、豊かな自然を大切な財産とし、安心して暮らせる総合的な防災対策を推進します。このため、地域での防災力の強化、災害時要援護者対策の充実、防災計画の変更、津波に対するハザードマップの作成、避難路の整備・設置等ソフト・ハード両面から防災対策を推進して参ります。

次に、安全・安心な環境づくりの推進について申し上げます。
身近な生活環境を守るため、消防体制の強化、生活様式の多様化による犯罪や事故のない地域防犯体制の充実を図り、交通安全への意識の高揚に努め、住民の暮らしのニーズに対応した環境づくりを推進します。このため、常備消防・救急体制の充実、消防団の活性化、火災予防・初期消火・救急救命に関する知識の普及、防犯意識の高揚、及び交通安全意識の高揚を図り、安全・安心な環境づくりを推進して参ります。

次に、環境保全の推進と生活環境の整備について申し上げます。
環境保全の推進につきましては、ごみの分別・リサイクル活動・生活排水処理対策を推進し、自然環境と調和した持続可能な循環型社会の形成に積極的に取り組み、住民が生涯にわたって快適に暮らせる生活環境づくりを推進します。このため、環境保全意識の高揚、ごみ収集・処理体制の充実、ごみ減量化・循環型社会形成への活動の促進、ごみの不法投棄の防止、最終年次となる特定環境公共下水道事業を含めた生活排水施設を整備し、環境保全を推進して参ります。

生活環境の整備につきましては、調和のとれた住空間づくりを目指し、あらゆる世代に適応した住みやすく耐震性のある住宅環境の形式を促進するとともに、水道施設の維持管理と安心安全な水の安定供給、公園・緑地の適正な管理などゆとりある生活に欠かせない生活環境の整備に努めます。このため、公営住宅の整備、水道事業運営の基盤強化、公園・緑地を整備し、生活環境の整備を推進して参ります。

次に、道路・交通・通信基盤の充実について申し上げます。
広域的アクセスの向上と町内地域間の連携強化、安全性・利便性の向上に向け、町内道路網の計画的な整備を進めるとともに、住民の身近な公共交通機関の充実を進めます。このため、国道・道道の整備の促進、町道・橋梁の整備、安全で快適な道づくりを推進し、情報通信基盤を整備します。

第四に、自ら学び地域と共に人を育む教育文化のまちづくりについては、後ほど教育長から教育行 
政執行方針で詳しく述べられますが、
まず、社会教育・生涯学習、学校教育について申し上げます。
社会教育・生涯学習につきましては、子どもから高齢者まで、生涯にわたって自らを高め、豊かな人生を送れるよう、学校教育と連携を図りながら進めます。

学校教育については、基礎的・基本的な学力の向上や豊かな心の育成をはじめ、国際化、情報化など時代の変化に対応した教育内容の充実を図り、学校施設を整備し子どもたちの教育環境・活動を支える体制づくりを推進します。

次に、次世代を担う人材育成につきましては、「教育は、まちづくりの原点である」ということを再認識し、まちの未来を担う子どもたちに対して、地域の特色に富んだ体験活動やスポーツの振興を図り、心豊かな子どもたちを育み、総合的なバランス感覚に富んだ人材の育成に努めます。

次に、スポーツ・文化活動つきましては、すべての住民がそれぞれの体力や年齢に応じたスポーツ活動を行える環境づくりとともに、住民主体の芸術・文化活動を支援して参ります。
次に、地域文化の保存・伝承・活用について申し上げます。

北海道でも類をみない歴史、文化遺産などの文化財施設を整備し、文化財の保存と活用を図り地域文化の保存・伝承・活用を推進して参ります。

第五に、語らいとふれあいが実感できる参画協働のまちづくりについては、
まず、住民参画の町づくりについて申し上げます
住民と行政がそれぞれの役割と責任を持って協働し、地域社会における課題解決の仕組みづくりに向け、住民参画のまちづくりを目指します。このため、広報・広聴活動を充実させ、情報公開を推進し、ボランティア団体等へ支援をしていきます。

次に、コミュニティ活動の推進について申し上げます。
地域の連携や郷土意識の継承による魅力ある地域社会の形成に向け、地域コミュニティ活動の拡充と活性化への取り組みを支援します。このため、コミュニティ意識を高揚させ、町内会活性化事業の実施により町内会活動の活性化を推進して参ります。

次に、広域行政の推進について申し上げます。
住民の生活圏の広域化に対応するため、その役割を十分に踏まえた中で、周辺市町村との連携を強化し、合理的、効果的な広域行政の推進を図ります。

最後になりますが、効率・効果的な行財政運営について申し上げます。
財政の健全化、行政サービスの質的向上、職員の資質向上を図ることにより、住民に信頼される自立可能・持続可能な行財政運営の確立を目指します。このため、行政改革及び健全な財政運営をし、職員の資質の向上を図り、効率・効果的な行財政運営を推進して参ります。

以上、平成二十四年度の町政執行に臨む私の基本的方針を述べさせていただきました。
日本の人口が二千五年をピークに減少に転じ、全国的に急激に過疎化が進んでおります。上ノ国町も例外ではなく、急激に進んでいる過疎化という厳しい現実にさらされております。この現実をしっかりと受け止め、逃避することなく子供や孫の夢ある未来を拓き、未来を創り上げるために立ち上がることが求められています。

私は私の全てをこの町の未来創りに捧げます。
「輝くまち、わたしたちの上ノ国」一人一人が輝くまち、暮らしやすいまち、協働で未来を築くまちという、夢の未来づくり、町づくりに向かって邁進する所存でありますので、引き続き温かいご協力と力強いご支援を賜りますよう、改めて上ノ国町議会議員皆様、町民全ての皆様に心よりお願いを申し上げ、平成二十四年度町政執行方針とさせていただきます。ありがとうございました。





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2012年03月07日

平成二十四年度教育行政執行方針



 3月6日に開会された平成24年第1回定例町議会で、
 金子教育長が「平成24年度町教育行政執行方針」を述べました。

 平成二十四年度教育行政執行方針

平成二十四年度上ノ国町教育行政執行方針を申し述べさせていただきます。

世界的な経済の混迷と金融不安などにより、国内も景気回復の実感が得られないまま大災害による未曾有の困難に直面し、被災地の復興、国民生活の立て直しということが求められています。それは、便利さと物の豊かさ、科学への過信という物質文明などを問い直していく道でもありますが、多くの国民はこの事態に冷静に立ち向かい、きずなを強め、勤勉に、黙々と復興に立ち上がっています。この姿と精神風土は、ほかならぬ教育が生み出した力であり、教育委員会としては、困難な時にこそ未来を切り開く力として働く教育の役割に思いを馳せ、本町の「まちづくりはひとづくり」の理念を胸に「上ノ国町教育振興基本計画」の具現化に向け力を尽くして参ります。

はじめに、社会教育と生涯学習推進にあたっては、
自助と共助の調和的浸透を図りながら町民一人一人の人生の充実と「豊かな自然・歴史・人の温もりあるまちづくり」を一体のものとし、地区生涯学習推進会議活動等を足場に一層のニーズ掘り起こしと多様で継続的な学習機会の提供、世代間連携とリーダー育成等に努めて参ります。

家庭教育については、親子の触れあいを源に信頼感と基本的生活・学習習慣を育み、人としての育ちを促すものであり、関係各課や保育所・小学校、PTA組織や地区生涯学習推進会議等との連携により、乳幼児期から学童期にわたる子育ての課題の把握と情報交流に努めると共に、子育て出前講座等の相談機能の充実を図りながら各種支援等を推進して参ります。

青少年の健全育成については、過度の競争的環境や将来への不安感などを背景に「子どもの幸福度」が極めて低い現実を踏まえ、関係団体や学校、地域組織等と人間信頼や自己肯定感を育む視点に立って連携し、地域や人々と触れ合う各種体験学習や社会参加の工夫、少年団活動等の充実・支援に努めて参ります。

高齢者の健康と生きがいづくりについては、地域発展の役割を担ってきた人生の知恵を学習や活動に生かす工夫と共に、老人クラブや各種サークル、健康づくりセンター等との連携よる軽スポーツや文化講座等への参加奨励、生き甲斐を励ます郷土のもの作り文化の伝承・発表・世代間交流に努めて参ります。
女性活動については、各地域や町女性団体組織の活動支援を中心に、健康づくりや家庭・地域の生活文化向上の取組支援、増加する就労女性の学習意欲を高める研修機会の充実・支援に努めて参ります。

第二に、子どもの人生と郷土の未来を開く学校教育の推進については、
人格形成と学力形成が不可分の課題であることと新学習指導要領を踏まえ、学校と地域のつながりにより着目し、全教職員協働による地域に根ざした学校づくりを通して前進が図られるよう全力で支援して参ります。また、後期中等教育充実に地道な努力を重ねる高校との一層の連携を図ると共にその存続と生徒の夢や希望を育てる環境づくりに向け、引き続く支援・援助に力を尽くして参ります。

本町の教育指針である「かかわりあい、学びあい、育ちあう学びの共同体」の推進については、地域を足場に学びと育ちを創る授業研究や児童生徒実態交流等により、保・小・中・高間連携が前進していることを踏まえ、授業づくりと小一プロブレム、中一ギャップ、高一クライシス等の課題検討と実践交流の支援に力を傾注して参ります。

授業づくりについては、全国学力・学習状況調査結果の分析と子どもの目線に立った躓きを取り除くきめ細かな指導について支援して参ります。また、基礎・基本の知識・技能の定着と活用力の向上を図る教科等の枠を超えた横断的・総合的学習展開の工夫と学ぶ喜びと意欲を励ます校内授業研究、学校間交流を全力で支援して参ります。

次に、学校教育推進の各領域における指導の重点について申し上げます。
教科指導にあたっては、各教科等の特性を踏まえ、学びの根源となる問いを育むために児童生徒の知的関心と好奇心を掘り起こし、地域教育資源の活用と事物との対面、物語性や協同性を内包した課題解決的学習展開に努めると共に基盤となる言語能力の育成に向け、指導深化が図られるよう努めて参ります。

外国語活動については、各学校が蓄積してきた実践の交流・共有に努めると共に、コミニュケーション能力と国際理解向上のために連携して指導に当たってきた外国人英語指導助手の継続登用による一層の活動充実を推進して参ります。

道徳教育については、自己肯定感の低さや他者とかかわる力の弱さに焦点を当て、葛藤や共感を潜って自己肯定と他者受容の力を育むことができるように、多様な価値について学び深める道徳の時間と日常指導の充実に努めて参ります。

生徒指導については、困難な時代を主権者として生き抜く基礎づくりを課題に、子ども理解に根ざした教職員と児童生徒間の信頼関係づくり、個や集団の成長課題の把握と教育相談の充実、学校・家庭・地域・関係機関との連携、「いじめ」や不登校等の課題解決に全力で取り組むと共に引き続きスクールカウンセラーを配置して参ります。

安全教育については、東日本大震災を教訓に防災意識を高め、避難訓練等の一層の見直しを図ると共に日常的防犯意識の啓発、チャイルドガイド、薬物乱用防止、高校生によるピア・サポート、関係機関や地域との連携による安全確保活動等に引き続き取り組んで参ります。

小規模・複式教育については、上ノ国小学校を除く全小学校が完全複式校となることから、授業づくりの工夫等に加え、自主性や集団性を育てる合同学習の改善に取り組むと共に市浦交流をはじめとする全小学校間交流の充実に一層力を入れて参ります。

特別支援教育については、保育所・学校と教育委員会間の日常的情報連携を強化すると共に、特別な支援を要する児童生徒の把握とニーズに添った適切な支援に向け、特別支援教育連携協議会の機能を生かし、その充実に努めて参ります。また、きめ細かな指導体制を期すため「特別支援教育支援員」を引き続き配置して参ります。

環境教育については、地球温暖化防止や再生可能エネルギー等、環境問題への関心を育てる学習推進と日常生活において実践可能な取組を積極的に促して参ります。

読書活動については、子どもが言葉を学び、考える力や感性・情操を育み、創造力を高めるなど、生涯にわたって人生を豊かにし「生きる力」を身につけていく上で欠かせないものであり、今年度をスタートに、読書環境整備、読書に親しむ機会の提供、啓発活動を柱とする向こう五年間を見据えた「上ノ国町子ども読書活動推進計画」に取り組みます。このため、前年度から着手してきた学校図書の質量両面の充実を中核に、ブックスタート事業の継続、幼児児童向け蔵書の充実を図ると共に家庭、保育所、学校、町民図書室、ボランティアグループの連携による読み聞かせ、朝読書の推進など、あらゆる機会に読書の楽しさに触れられる環境づくりに取り組んで参ります。

体力・運動能力については、体育の授業充実はもとより徒歩通学の奨励をはじめとする日常生活の見直しや自然との触れ合い等、地域環境を家庭・学校に生かし、身体感覚や運動習慣を育てる取組に引き続き力を入れて参ります。

これら学校教育推進に係わり、人格形成に深く寄与する教育であるためには、すべての児童生徒の発達の可能性に思いを運び、手間暇を惜しまずに愛しみ育てようとする教職員の使命感と協働が不可欠であり、校長を中心に互いの不足を補い合い、創意に満ちた実践展開を図る地域に根ざした学校づくりが求められています。そのために、教える者こそ最もよく学ぶ者であるという基本に立ち、学校内、学校間、専門的研究者・機関との学び合いと評価制度等を活かした教育・学校づくりに引き続き全力で取り組んで参ります。

第三に、スポーツと芸術・文化の活動推進についてであります。
町民の健康に寄与し、生活に活力をもたらすスポーツ活動については、「スポーツの町宣言」の精神に立ち、生涯スポーツに関する啓発活動等を通して意識や関心を高めると共に体育協会との連携による各種スポーツ団体への支援、指導者やボランティアの育成に一層取り組んで参ります。また、施設の老朽化に対応できる整備計画の青写真づくりに向けた検討と共に地域住民との共同による利用調整・管理運営体制確立に引き続き努めて参ります。

心を耕し生活に潤いをもたらす芸術・文化活動については、児童生徒や町民への豊かな芸術鑑賞の機会を提供すると共に文化協会をはじめとする各種団体の育成・支援、住民の手による郷土の特色を生かした芸能や食、もの作り文化の発表・交流の奨励、生涯学習推進会議等との連携による各種教室や出前講座の開設に努めて参ります。

町民図書室については、「上ノ国町子ども読書活動推進計画」の具現化を展望し、保育所、学校、町民の読書環境と読書文化向上の架け橋として、蔵書充実や図書情報発信、地区ステーション図書交換等に積極的に取り組むと共に読み聞かせボランティアグループの支援にも一層努めて参ります。

第四に、文化財の保存・保護、整備・公開について申し上げます。
本町は、北の中世を体現する史跡、埋蔵文化財や歴史的建造物等多くの貴重な財産を有し、単に歴史遺産としての価値のみならず、まちづくりの中核としていくことや多くの人々から親しまれる存在になることが重要な課題であることを踏まえ、新たな「保存管理計画」に基づき、適切な保存管理と整備・公開活用の推進に力を尽くして参ります。

その視点に立ち、劣化が危惧される脆弱出土遺物の保存処理事業に鋭意取り組むと共に引き続き遺物の整理分析と調査研究、環境整備等に努めて参ります。また、貴重な文化遺産に対する理解の浸透と愛着への繋がりを展望し、復原した重要文化財上國寺本堂、勝山館跡ガイダンス施設や旧笹浪家住宅の管理公開、「連続歴史講座」の継続等を通して地道な情報発信に努めると共に各団体や各学校の「ふるさと学習」への活用等、教育・観光両面からより一層の利活用が図られるよう関係機関との積極的な連携に努めて参ります。

また、上ノ国村史(昭和三十一年)、続上ノ国村史(昭和三十七年)の刊行から時が経過し、議会からも指摘され懸案となっていた町史編纂については、その内容の精査や資料の所在、その後の発掘調査や研究者の新出資料の調査・収集を進めるなど、専門的見地と作業工程に相当な時間を要すと思量されることから新規事業として位置付け、その編纂に向け取り組んで参ります。

以上、教育行政執行推進の基本姿勢について申し上げましたが、直面する未曾有の困難は立ち向かう人間の偽りのない精神を映し出します。その答えの一つは、被災しながらもきずなを結んで懸命に生きようとする人々と支援活動に当たる人々の姿であり、

惜しまずに支援の心を運ぶ全国各地の姿ですが、本町もまたその一端に連なっていることを誇りに思います。それは、教育が根本において目指すべき心と責務でもあります。この精神こそ本町の「まちづくりはひとづくり」の理念でありますが、改めてその精神と気質を水脈として汲み上げ、地域に根ざす教育・学校づくりと学び甲斐と生き甲斐あるまちづくりに全力を傾けて参ります。町民皆様をはじめ、議員皆様の一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、教育行政執行方針とさせていただきます。





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Posted by おだっちの菜の花油 at 18:17Comments(0)