2021年08月22日
菅首相「選挙の顔」として致命傷
菅首相「選挙の顔」として致命傷
小此木氏敗北で自民党総裁選など影響必至
小此木氏敗北で自民党総裁選など影響必至
2021年08月22日 20時09分 日刊スポーツ
過去最多の8人が立候補した横浜市長選の投開票が22日、行われ、立憲民主党が推薦する元横浜市立大教授の山中竹春氏(48)が4選を目指した林文子氏(75)らを破り、初当選することが確実となった。
横浜がお膝元の菅義偉首相(72)が全面支援した前国家公安委員長の小此木八郎氏(56)が敗れたことで、菅首相は「選挙の顔」として致命的なダメージを負った。9月末に任期満了を迎える自民党総裁選や、10月に任期満了となる衆院の解散・総選挙の行方に影響を与えるのは必至で、政局は流動化しそうだ。
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致の是非が争点となった市長選で、小此木氏はIRを推進する菅内閣の閣僚でありながら「誘致取りやめ」を掲げて出馬。36人いる自民党系市議は小此木支持派とIRを推進する林支持派に分裂し、菅氏の秘書出身の5人の市議も小此木氏支持3人、林氏支持2人と二分する事態になった。
故小此木彦三郎元通産相の秘書出身で小此木氏とは45年以上の交友がある菅首相は7月29日、小此木氏を「全面的かつ全力で応援する」と表明。8月3日の自民党役員会でも「小此木をやる」と述べ、党を挙げての支援を求めていた。しかし、IRを国家的プロジェクトとしてきた菅首相が「取りやめ」を公約とする小此木を支援する分かりづらさ。小此木氏が「どうせ菅さんと結託して、当選してほとぼりがさめたら、(IRを)1回やり直すんだろうと、4割の方が疑いの目で見ている」とぼやく状態になっていた。
さらに新型コロナの新規感染者の急拡大で、コロナ対策が争点化。菅内閣のコロナ対策への批判票、不満票が「コロナ専門家」をうたう山中氏に取り込まれる形になった。菅内閣の支持率は時事通信、朝日新聞、NHKの調査で、危険水域の20%台になっている。4月の衆参の補選、再選挙で3連敗。7月の都議選でも惨敗したのに続き、地元でも敗れたことで、「選挙の顔足り得るか」と問う声がさらに大きくなりそうだ。【中嶋文明】
2021年08月22日
横浜市長選 立民推薦の山中竹春氏 当選確実
横浜市長選 立民推薦の山中竹春氏 当選確実 小此木氏ら及ばず
2021年8月22日 20時38分 NHK
2021年8月22日 20時38分 NHK
過去最多の8人が立候補した横浜市長選挙は、立憲民主党が推薦した元横浜市立大学教授の山中竹春氏の初めての当選が確実になりました。菅総理大臣が支援した元国家公安委員長の小此木八郎氏や4期目を目指した現職の林文子氏らは及びませんでした。
横浜市長選挙の投票は、午後8時で締め切られ、9時すぎから開票が始まります。
NHKの事前の情勢取材や、22日投票した有権者を対象にした出口調査では、立憲民主党が推薦し、共産党と社民党が支援した元横浜市立大学教授の山中竹春氏が、元国家公安委員長の小此木八郎氏や現職の林文子氏らを大きく引き離して極めて優勢です。
また、21日までに期日前投票をした人に行った出口調査でも山中氏が上回っていて、今後、順調に得票を伸ばすと見込まれることから、山中氏の初めての当選が確実になりました。
山中氏は、埼玉県出身の48歳。
横浜市立大学の医学部の教授として新型コロナウイルスのワクチンの有効性などに関する研究を行いました。
今回の選挙戦は、神奈川県内に緊急事態宣言が出される中で、過去最多の8人が立候補し、カジノを含むIR=統合型リゾート施設の横浜市への誘致計画や、感染の急拡大が進む新型コロナウイルス対策などを争点に論戦が交わされました。
その結果、IRの誘致計画に反対し、新型コロナのデータ分析などにあたってきた経験をアピールした山中氏が、立憲民主党の支持層からおよそ70%の支持を、無党派層の40%台半ばの支持を集めました。
一方、閣僚を辞任して立候補した小此木氏も、IR誘致計画への反対を打ち出し地元選出の菅総理大臣や自民党の多くの市議会議員、それに公明党の支援を受けて組織戦を展開しました。
しかし、自民党支持層からはおよそ40%の支持に、また、無党派層からの支持はおよそ10%にとどまっています。
菅総理大臣が支援した小此木氏が及ばなかったことで衆議院選挙などを控え菅総理大臣の政権運営に影響を与えることも予想されます。
また、自民党の一部の市議会議員の支援を受け、4期目を目指した現職の林文子氏も、IRの誘致計画の推進などを訴えましたが届きませんでした。
山中氏は、「感謝の気持ちでいっぱいだ。市民一人ひとりと向き合いながらすばらしい横浜市を作っていく。ワクチン接種の加速化、感染源のいち早い特定、そして感染した人への治療機会の確保、この3つの効果的な対策を行っていきたい。カジノを含むIRの誘致に関しては行わないという宣言を横浜市として早期に出す」と述べました。
小此木八郎氏は「今は支えてくれた人たちに感謝の気持ちしかない。結果がすべて出てからしっかり受け止め、これからどのように人間として地域、横浜に貢献できるのか考えていきたい」と述べました。
林文子氏は「今回の選挙戦で支援して頂いた経済界や市民の皆様にこのような結果になったことをお詫び申し上げたい。『IRを始める』と2年前に記者会見してから反対の嵐の中で生きてきた。コロナ禍になって市民との距離が遠くなり、IRの内容について市民から見えにくくなってしまった」と述べました。
自民 柴山幹事長代理「大変厳しい結果」
自民党の柴山幹事長代理は、NHKの取材に対し「大変厳しい結果となったことを重く受け止めている。原因はしっかりと分析しなければならない。政権の諸施策について国民に理解してもらえるよう、与党としても努力していく必要がある」と述べました。
自民 幹部「政府のコロナ対応への不満が批判票に」
自民党幹部は、NHKの取材に対し「保守分裂で自民党支持層の票が割れてしまったことに加え、政府の新型コロナ対応への不満が批判票となって集中したことが敗因だ。知名度で勝る小此木氏が差をつけられたことは衝撃で、 衆議院選挙に向けて影響を最小限に抑えなければならない」と述べました。
自民 閣僚経験者「総裁選は先延ばしにし衆院選は任期満了で」
自民党の閣僚経験者の1人は、NHKの取材に対し「非常に厳しい結果だ。国民の声は『コロナ対応をしっかりしてほしい』ということだと思う。とにかくコロナ対応を最優先にし、自民党の総裁選挙は先延ばしにした上で、衆議院選挙は任期満了で行うべきではないか」と述べました。
2021年08月22日
横浜市長に野党系山中氏確実
横浜市長に野党系山中氏確実
首相支援の小此木氏敗北
共同通信 / 2021年8月22日 20時5分
首相支援の小此木氏敗北
共同通信 / 2021年8月22日 20時5分
任期満了に伴う横浜市長選は22日投開票され、
立憲民主党推薦の横浜市立大元教授山中竹春氏(48)が、
前国家公安委員長小此木八郎氏(56)ら7人を破り、
初当選を確実にした。
地元で小此木氏を全面支援した菅義偉首相には大きな打撃で、
自民党総裁選と次期衆院選を前に求心力の低下は必至だ。
分裂選挙となった自民は、4月の衆参3選挙や7月の東京都議選に続く敗北。
衆院解散の先送り論も強まりそうだ。
市長選には過去最多の8人が立候補し、
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致の是非や
新型コロナウイルス対策などが争点となった。
立憲民主党推薦の横浜市立大元教授山中竹春氏(48)が、
前国家公安委員長小此木八郎氏(56)ら7人を破り、
初当選を確実にした。
地元で小此木氏を全面支援した菅義偉首相には大きな打撃で、
自民党総裁選と次期衆院選を前に求心力の低下は必至だ。
分裂選挙となった自民は、4月の衆参3選挙や7月の東京都議選に続く敗北。
衆院解散の先送り論も強まりそうだ。
市長選には過去最多の8人が立候補し、
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致の是非や
新型コロナウイルス対策などが争点となった。