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2010年12月31日

核のごみ「トイレなきマンション」状態




     核のごみ
    「トイレなきマンション」状態 青森・六ケ所


    
 使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)をめぐり、再処理に伴い発生する「核のごみ」の高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)をどこに埋設するのかという問題も未解決のままだ。

 試運転が完了し本格操業すると、年間で最大1000本の固化体が出る。最終処分地が選定されなければ、村内にたまり続けることになる。核燃料サイクル事業は基幹施設の再処理工場の試運転難航だけでなく、「トイレなきマンション」と批判される問題点も棚上げとなっている。

 「国が走り回って選定すべきなのに、岩手県知事を12年間していて、国から話を投げ掛けられたことはない」。東京で今月17日に開かれた最終処分問題のシンポジウムで、増田寛也元総務相は知事時代を振り返り、問題提起した。

 ◆行動足りぬ国
 全国で1カ所だけとなる「迷惑施設」の選定には、首相が全都道府県知事を集めて理解を求めるくらいのリーダーシップが必要なのに、政府は行動不足だ―。増田氏は自身が東奔西走して岩手県内に産業廃棄物処分場を選定した経験から、こう指摘した。

 深さ300メートル以上の地中に総延長200~250キロの坑道を掘り、固化体を埋設する国の最終処分計画。実施主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)は2002年に処分地の公募を始めたが、国民の「原子力アレルギー」などもあり、市町村の応募が表面化するたびに反対運動が起きて行き詰まり、暗礁に乗り上げている。

 ◆計画破綻気味
 一方で、固化体は確実に増えている。再処理工場は稼働していないが、海外に再処理を委託した際に出た固化体の返還が1995年にスタート。工場の試運転に伴う固化体と合わせ、六ケ所村には既に1455本も一時貯蔵されている。

 青森県と六ケ所村、日本原燃の協定では貯蔵期間は30~50年。最長でも2045年に最初の期限を迎えるが、仮に来年選定されても調査や建設に三十数年かかるとみられる。貯蔵期間が最短の場合は期限を超える計算で、スケジュールは破綻気味だ。

 こうした状況にもかかわらず、固化体同様、地中深くに埋設が必要な低レベル放射性廃棄物の受け入れ先が8月、六ケ所村に決まった。国は以前から青森県内を最終処分地にしないと確約しており、受け入れに際しても処分地選定に力を注ぐ考えを県や村に示したが、進展は見られない。

 原子力関連企業などでつくる日本原子力産業協会(東京)の幹部は「今のままだと間違いなく青森県が何か言ってくる。再処理に回す使用済み核燃料を受け入れないということにでもなれば、大問題だ」と気をもむ。

 経済産業省資源エネルギー庁は「長い目で見れば処分地選定は確実に進展している」と強弁するが、六ケ所村幹部は「到底、進んでいるようには見えない。原子力政策大綱の改定に向けた議論で、国が責任を持って早急に解決策を示してほしい」と対応を求めている。

(河北新報 12月31日(金)15時10分配信)





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Posted by おだっちの菜の花油 at 21:00│Comments(0)環境・自然
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