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2012年03月26日

政務調査報告書「地方議員の今日的役割」



          平成23年度政務調査事業報告書

   調査日時  8月5日
   調査場所  札幌市(さっぽ芸術文化の館)

   調査事項
          「地方議員の今日的役割」

           講師・北海道大学公共政策大学院長 宮脇  淳 教授

                       主催・第一法規(株)北海道支社


調査研修
4月の議員選挙の改選後において、住民自治の視線に立った議員活動のあり方を再学習する。


政務調査報告書「地方議員の今日的役割」

政策前提・北海道展望の前提
    (東日本大震災以前の本質的問題)

ふたつの大きな構造変化があり、
1、少子・高齢化社会
①毎年右肩上がりで所得が増加する時代が終焉したこと。
②限られた資源を最適に活用することが必要な時代になったこと。
③縦型ではなく横型の結びつきがじゅうようとなる時代であること。
2、グロ-バル化社会
①国境が低くなり、地域が世界と直接結びつく時代になったこと。
②個性を限りなく発揮し、「知」が大きな資源となる時代であること。
③集中型でなく分散型が求められる時代であること。
以上のことから、地域が個性を出し内外の各地域と直接結びつく時代になった。

国土の長期展望について
将来の日本に対する3つの不安として、人口減少の進行、急速な少子高齢化、国と地方の長期債務の増大があり、労働力、投資余力の減少等を踏まえ、国土の将来の課題に対応することが必要である。
22世紀には、札幌市の人口レベルになることが推計される。
国際化からグロ-バル化
国際化として、①国境があることを前提。②国と国の関係をスム-ズにすること。③産業国家に適すること。
グロ-バル化では、①国境をできるだけ低くする。②地球化を進めること。③地域と地域が直接繋がること。④情報化時代に適することである。

北海道経済が直面している現状
既存体質の限界
厳しいデフレ圧力・・・・新興国の台頭
道内・国内市場の縮小・・・・少子高齢化
財政規模の縮小・・・・公共事業の縮小
既存設備の過剰・・・・宿泊施設等
新たな機会の創出
新興国からの資源流入・・・・観光客、資金等
グロ-バル市場への展開・・・・農海産物輸出等
新たな設備需要・・・・医療、観光等
社会システムの移転・・・・イクフラのビズネス化
パラダイム転換である。

北海道経済低迷の理由
本質的理由
1、リ-マンショック等景気変動の問題でない。
2、経済社会のパラダイム転換の遅れ。
3、新たなグロ-バル経済へ対応する独自のマネジメント創造の遅れ。
4、政策転換の遅れ。
国内市場の再構築、アジア市場と直接的に向き合うことである。
「バックミラ-を見て運転し正面衝突する」
「将来の幸せを阻む最大の要因は過去の経験」
「限界は自ら生み出す」
グロ-バル化の中の地域化は、
地域のパワ-力。地域資源地域のブランドを発信刈るパワ-。

1、地方分権の時代(東日本大震災後の自治体経営)
地方自治法の位置づけ
憲法92条「地方自治の本旨」-地方自治法自体が内容を明確化していない。
ヨ-ロッパ地方自治検証の基本-基礎自治体優先の原則が大原則

第二次分権改革-2000年以降の基本理念
1、地方政府の確立・・・・立法分権
  ・・・・行政権、りっほうけんを物統治体
2、基礎自治体優先の原則、保管の原則
  ・・・・都道府県と市町村間の問題
3、完全自治体の実現
  ・・・・自治行政権、自治立法権、自治財政権
4、国と地域の持続的発展の実現
なぜ、分権論が必要か
①グロ-バル化への地域価値創造への対応
②少子高齢化による資源制約への対応
③地方政府による柔軟な行政体制の確立
④日本のリスク耐久力の向上
 ・・・・国と地域の持続的発展の核になる。

東日本大震災対応の道筋
災害救助法、災害基本法
復旧、復興プログラム-①緊急事態対応、②復旧段階・・・生命線インフラ復活、
③復興前期段階・・・社会ネットワ-ク再稼働
④復興後期段階・・・地域再生

地方分権改革現状評価
地方分権改革の停滞
交付金等一定の政策の進展
国と地方の体系的見直しは進まず・・・政策決定のプロセスの体系化できず
①官主導・中央集権体質の復権、②政治主導の視野の狭視性、③都道府県飛ばし
「やる自由」と共に「やめる自由」の重視

地方分権改革推進委の勧告
第一次・・・・権限移譲
第二次・・・・出先機関
第三次・・・・関与の見直し
第四次・・・・税財政
これらの勧告について、実質的内容が乏しい結果、第一次分権改革同様の手法では限界である。

地方分権改革の課題
1、国と地方の行政体制の再検証
①道州制的制度の是非、②大都市制度創設の是非、③基礎自治体の綜合行政の是非
2、国と地方の役割配分の再検証
①「国から地方へ」・「地方から国へ」、②分離・統合型への移行
3、税制改革に伴う税配分と地域間調整
  ・・・・一丁目一番地がマンション化

中央集権型統治の基本要素
①標準化-様々な利害関係間の調整を効率的に行うこと。
②全体として一貫した目的に到達するための企画づくりをすること。
階層化
①昨日とそれに伴う責任を特定の層ごとに分割すること。
②特定の層でになうべきではないと判断した機能とそれに伴う責任は他の層に委ねること。

関与の見直し
①基本法律の見直しが不在、②施設基準・人的基準の深掘不在、③新規立法に対するチェック④機能不在、財政面との連動なし。
  
2、地方議会・議員の基本
議会の機能
①議論の場である。
・議論とは相互に検証し創造すること。
・そのための議会ル-ルが必要。
②なぜ多数決があるか。
・民主主義の虚為。
③住民意見を聞くことの落とし穴。
・ポピュリズムの深刻化。失敗の連鎖。
                    ④責任の所在

政策思考の必要性
1、政策思考・・脱政策批判-①政策判断、②政策創造、
2、議論と主張、対話と討論
3、事業仕分けの政策思考からの位置づけ
政策とは何か
1、政策
理想と現実をつなげる手段の集まり-①政策には理論が必要、②現実評価には理想が必要、③政策はあくまで手段
2、「政策の樹」の認識
①オット-の剃刀・・・・矛盾した結論、②ゴ-ルポストの移動
政策の性格
①代表的政策形成
・利害関係集団間の調整による政策形成
②創造的政策形成
・新しい価値観とガバナンスによる政策形成
③投機的政策形成
・国民的ニ-ズを無秩序に受け止める政策形成

「考える」と「悩む」の違い
1、両者の違いは何か ───┐
①悩むとは何か │
②考えるとは何か ├── 議会サポ-ト基幹の不足は理由になるか
2、政策形成のゴミ箱 │
3、失敗の連鎖 ───┘

公共性とは何か
1、政策議論における「公共性」の言葉の意義
2、公共の曖味性、多様性
①公共と思う心がすでに敵、②公共性の意味
3、政策交渉
①利害なければ交渉なし
②WIN・WINの関係・脱二項対立、③誠実性の意味

下からの民主主義 ──────┐
①議会改革・選挙改革 │
②自発的公共性の重視 ├──地域主権、市民社会
③開かれた公共性 │
④消極的自由から積極的自由 ──────┘

意識改革・創造性とは何か
自分の思い込み・偏見に気づくこと→意識改革→創造性の発揮

仮設思考
①飛行機は飛べない、②大学は教育・研究をしない、③銀行はお金を貸さない、④北海道は広くない・寒くない、

思い込みを克服する ──────┐
①北海道は寒くない │
②北海道は広くない ├──脱既存概念、脱東京視点
③北海道の観光は強くない │
④北海道の農業は弱い ──────┘

議会改革の本質
①議論の場 ──────┐
②行動の場 │
③説明の場 ├──競争の場、協働の場、ネットワ-クの節
④創造の場 │
⑤責任の場 ──────┘


政務調査報告書「地方議員の今日的役割」

研修の成果

宮脇教授による「地方議会議員の今日的役割と課題」を受講する中で、国際化めグロ-バル化の時代に、政策形成の過程においてどんな視点でものことを分析し判断するのか。また、日本経済も含めた北海道の発展すべき方向性を、地方分権改革の現状評価と、それに基づく議会の機能を発揮させるために政策思考の必要性。更に、そのために如何にして議会の本質を掴みね議員、議会の意識改革を図っていくべきであるのを学ぶことができた。れまでの惰性的議員活動であることを再認識させられて、大きな成果を得ることができたと思う。






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Posted by おだっちの菜の花油 at 12:14│Comments(0)議員活動
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