2012年12月09日
真央、成熟の舞い 腰痛に耐え、天国の母へ届けた
真央、成熟の舞い 腰痛に耐え、天国の母へ届けた
フィギュアGPファイナル
フリーで今季世界最高となる129.84点が表示されると、浅田は大きく息を吐き出した。ショートプログラム(SP)との合計得点でも今季世界最高として4季ぶりのファイナル優勝。「とりあえず、無事に滑ることができてよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
演技直前、緊急事態に見舞われていた。11月下旬のNHK杯後に疲労から発症した腰痛が悪化。この日午前の公式練習から状態が悪く、演技直前の6分間練習ではジャンプが不調に。一時は力も入らなくなったという。
棄権も考えたほどの痛みだったが、「やってきたことを出したい」と迷いを振り切った。佐藤信夫コーチから「こんな状態でどれだけやれるか見せてきなさい」と背中を押され、飛び出したリンク。
腰に負担のかかるスピンは別の種類に変えて対応し、影響を感じさせなかった。SPで今季世界最高(当時)を出しながらフリーで崩れたNHK杯で、「強い気持ちと勢い」の必要性を痛感した22歳にとって、まさに強い精神力が導いた演技だった。
特別な大会でもあった。昨季のファイナルは最愛の母、匡子さん(享年48歳)の容体急変で出場を辞退した。
9日に一周忌を迎える母への質問が出ると、複雑な思いが交錯。「いつもと変わらないと思う…」と話した後は涙があふれて言葉が続かなかった。
強い絆で結ばれる天国の母に、1年2カ月後に迫るソチ五輪への確かな手応えと、たくましくなったことを証明する金メダルを届けた。(田中充)
産経新聞 12月9日(日)7時55分配信
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Posted by おだっちの菜の花油 at 08:38│Comments(0)
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