北海道上ノ国町・天の川菜の花油工房　尾　田　孝　人

　道内の新型コロナウイルスの新規感染者は１９日、これまでの過去最多の７２７人を大きく上回り、一気に１１７０人まで急増した。感染「第６波」は、新規感染者の約６割を２０代以下の若い世代が占めており、３学期が始まった子どもたちへの急拡大も懸念される。「加速度的に感染が広がりかねない」「どこまで感染者が増えるかは見通せない」―。医療従事者や専門家は、危機感を強めた。

　「来るべき時が来てしまった。感染拡大の速度がこれまでの何倍も速い。オミクロン株の広がり方は明らかに違う」。新型コロナ患者を治療しているＫＫＲ札幌医療センター（札幌市）の福家聡医師は１９日、険しい表情で語った。同センターの現在の入院患者は６人。いずれも軽症だが、倦怠感（けんたいかん）が強くて起き上がれず、食事ができない人もいる。

　道内の１８日現在の病床使用率は１５・８％。地域別では札幌の１４・０％に対し、札幌以外は１６・６％とやや高い。軽症者が入る宿泊療養施設が少ない地方では、重症や中等症でなくても病院しか受け入れる場所がなく、病床使用率が急上昇する可能性もある。福家医師は「軽症患者でも容体が急変するリスクは常にあり、油断できない。細かな支援が必要だが、病院や医療従事者が限られる地方は、十分に対応できなくなる恐れがある」と漏らす。道内では今月４日にオミクロン株が初確認されて以降、感染者が急増。８日に１００人超となり、その後、わずか１１日で千人を突破した。感染拡大のスピードの速さに加え、昨年の感染流行期と明らかに異なるのは、２０代以下の感染者の多さだ。

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