地上戦から77年、沖縄「慰霊の日」 世界で続く戦火の収束を祈る

おだっちの菜の花油

2022年06月23日 10:56




地上戦から77年、沖縄「慰霊の日」
世界で続く戦火の収束を祈る
毎日新聞 - 4 時間前


 沖縄は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦などの犠牲者を悼む「慰霊の日」を迎えた。日米両軍の激しい戦闘に住民が巻き込まれ、兵士を含め約20万人が命を落とした地上戦から77年。世界はロシアによるウクライナ侵攻を目の当たりにし、国家間の対立を武力で解決しようとする考えが今なお続く国際社会の厳しい現実に直面している。沖縄戦最後の激戦地となった沖縄県糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園には早朝から遺族らが訪れ、平和を受け継いでいく大切さをかみ締めた。



摩文仁にある「平和の礎」を早朝から訪れ、沖縄戦で犠牲になった親族らを悼む人たち
=沖縄県糸満市で2022年6月23日午前5時57分、喜屋武真之介撮影
© 毎日新聞 提供

 沖縄では1945年6月23日に日本軍の組織的戦闘が終結したとされるが、72年5月の日本復帰まで27年間、米国統治の苦難が続いた。住民の暮らしよりも軍事が優先され、人権や自治権は著しく制限された。広大な住民の土地が米軍基地として強制接収され、沖縄は安全保障上、重要な役割を担う「基地の島」に変貌した。核兵器も持ち込まれた。

 今年5月で復帰から50年を迎えたが、今も全国の米軍専用施設の7割が沖縄に集中する。米軍機による騒音や事故、基地からの環境汚染など重い基地負担は現在も変わらない。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設を巡っては、計画を進める政府と反対する県の対立が続き、22日に公示された参院選沖縄選挙区や9月の知事選でも争点になるとみられる。

 中国の軍事力強化を背景に、政府は台湾に近い県内の島々への自衛隊配備を進める。島が戦場となった77年前の体験から、台湾有事など沖縄周辺での軍事的緊張の高まりを懸念する声も上がる。

 平和祈念公園では23日、県と県議会が主催する「沖縄全戦没者追悼式」が営まれ、玉城(たまき)デニー知事が「平和宣言」を読み上げる。2020、21年は新型コロナウイルスの感染拡大で県外からの招待を見送ったが、今年は3年ぶりに首相らを招待した。21年10月に就任した岸田文雄首相が初めて参列する。

 式では沖縄市立山内小2年の徳元穂菜(ほのな)さん(7)が平和の詩「こわいをしって、へいわがわかった」を朗読する。沖縄戦の実相を描いた絵を見て感じた戦争の怖さ、平和のありがたさを作品にした。

 国籍や民間人、軍人の区別なく沖縄戦の戦没者らの名前を刻んだ公園内の「平和の礎(いしじ)」には、今年新たに55人の名前が刻まれた。総刻銘者数は24万1686人となった。【比嘉洋】

沖縄戦
 太平洋戦争末期、米軍は日本本土を攻略する拠点とするため沖縄に侵攻。1945年3月26日、沖縄本島西側に浮かぶ慶良間(けらま)諸島に、4月1日には沖縄本島中部の西海岸に上陸した。日本軍は本土決戦の時間稼ぎのため持久戦を展開し、6月23日に司令官が自決するまで約3カ月にわたる地上戦となった。犠牲者は日米で約20万人。住民約9万4000人(推計)が戦闘に巻き込まれるなどして命を落とした。沖縄出身の軍人・軍属2万8228人と合わせ、沖縄県民の4人に1人が亡くなったとされる。住民同士を手にかけ合った「集団自決」や、日本軍による住民の壕(ごう)からの追い出し、殺害も起きた。


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