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2007年02月22日

養豚経営者の死

 今日は午前10時より
 町内で79歳の昨年まで40年近く
 養豚業を営んでいた方の告別式に参列する。

 上ノ国町では
 昭和40年代から50年代にかけて
 農協が養豚を奨励し
 農家が豚の肥育に取り組み
 子豚生産量が全道でもトップクラスになって
 3億円以上の販売高を上げていた。

 農協の豚等のエサ取扱高も
 7億円以上に及んでいた。
 飼料の供給と販売を
 すべて取り扱っていたのだ。

 農協は豚舎建設の施設費
 豚を増やせ増やせと資金をどんどん貸付けした。
 農家はすべて農協任せで
 養豚経営を進めた。

 農協の経営指導は甘くなり
 農家は養豚経営の経済的経営管理は
 稀薄なまま営農を行う。

 農協から供給されるエサ代が数千万円にもなる。
 えさ代を差引きすると
 農家の手取り利益は
 出面取りと同じくらいの収入になってしまう。

 やがて
 このような農協任せの経営でいいのかと
 自覚した農家は疑問を持った。

 養豚農家は
 商社が取り扱うエサと
 農協が供給するエサの価格の格差が
 大きいことを知り始めた。

 それでも農協は
 商社のエサとは成分がちがうと言って
 高いエサを供給し続けた。

 エサの販売量で農協へのバックマージンが
 大きな金額となる。
 本来なら養豚農家へ還元すべきマージンなのに
 農協の販売収益に繰り入れていた。

 そのことを知った養豚農家は
 商社とのエサ取引を行うようになった。

 昭和50年代以降農協任せの養豚農家は
 莫大な借金を抱え廃業しただけでなく
 農家としても廃業せざるを得なかった。

 いま上ノ国町で養豚経営をしている農家は
 その時
 商社にエサの取引を変えた農家だけが
 生き残り健全経営をしている。

 79歳まで養豚に命を賭けて頑張り
 亡くなった農業者もその一人であった。

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Posted by おだっちの菜の花油 at 21:04│Comments(0)
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