2009年12月22日
改めて金利格差を問う--江差信金
尾田議員は12月議会の一般質問で、指定金融機関である江差信用金庫に、座雨声調整基金等の基金総額の約90%近くを預け入りし、上ノ国町の基幹産業組織の経営する金融機関への預け入れが少ないだけでなく、金利格差が非常に大きくなっている問題を取り上げました。
町長の答弁で、江差信金が町の出納室窓口に職員を派遣して経費を負担していると答弁していますが、産業団体組織の金利より大幅に低金利のため、派遣職員の給与の数倍の益金を上げている状況にあります。
尾田議員は、「農業漁業で食える」を町政の基本方針として取り組んでいる中で、関係産業団体組織の金利が数倍高く、この間のそれらの団体に預け入れしていたとすると、農業や漁業振興のための原資として使うことも出来ていたことを指摘しました。
町政の一時的運転資金の借り入れをする時に、信金が指定金融機関であり利便性があるしていますが、厳しい住民の生活実態の現実に目線を向けたとき、住民の財産である基金等の預け入れ先についても、住民の立場に立った運用が求められます。
一般質問の抜粋
質問・尾田議員
1、財政調整基金の預け入れ金融機関の金利格差問題についてであります。
上ノ国町財政調整基金条例では、「基金に属する現金は、金融機関への預金その他もっとも確実有利な方法により保管しなければならない」。
平成21年9月30日現在、財政調整基金残高19億4490万9436円が預金残高となっている。預入れ金融機関として
労働金庫函館支店に1000万円、預入れ期間1年・利率0.310%
ひやま漁協に1億円、預入れ期間1年・利率0.470%
新函館農協に1億円、預入れ期間1年・利率0.570%と5000万円、預入れ期間306日・利率0.400% 。
江差信用金庫上ノ国支店に15億2055万9436円、預入れ期間364日・利率0.250%及び1000万円、預入れ期間185日・利率0.250%。さらに6435万円、預入れ期間347日・利率0.250% となっている。
新函館農協の1億円の利息が57万円で、単純に江差信用金庫上ノ国支店の15億円を農協に預けたとすると利息が855万円となる。
江差信用金庫上ノ国支店預け入れの利息額が375万円で、差し引き480万円もの運用減益になっている。
基金条例で定めている「基金に属する現金は、金融機関への預金その他もっとも確実有利な方法」とは、預け入れ金利についても、そのように図るべくことではないのか。
また、預け入れ金融機関及び預入額をどのような規定により決定なされ預け入れしているのか。
さらに、均衡が取れないほどの金利格差を生じて預け入れしていることは、町民に益金の損害を与えている。
満期終了後に新たな預け入れが発生したときには、金融機関の利益優先ではなく、町民の利益を最優先すべきでだ。
答弁・工藤町長
尾田孝人議員のご質問にお答えいたします。
1点目の財政調整基金の預金先金融機関の金利等についてのご質問でございますが、
基金に属する現金の保管については、地方自治法や基金条例に「最も確実かつ有利な方法により保管しなければならない」と規定されております。これは通常は金融機関に預金し、いつでも現金化され、かつ元本が保証され、そして利子の有利な方法で保管されることであり、本町においてもこの規定を念頭に財政調整基金の保管をしている。
平成10年度より議会の議決を得て、江差信用金庫を指定金融機関とする指定金融機関制度を採用している。これにより指定金融機関事務取扱契約書を締結し、公金の収納及び支払事務並びにこれにかかる預金の取扱を行っている。この契約に基づき町が口座を設置し公金の保管と運用をしており、指定金融機関は送金手数料と役場内に設置された派出所職員に係る経費を負担している。
財政調整基金の預金先は、指定金融機関である江差信用金庫の健全性・安全性の観点から、また、先ほど申し上げた契約内容の外に、金利を店頭表示レートに0.1パーセントを上乗せし運用していることもあり、総合的に勘案し指定金融機関に決定した。
ただし、指定金融機関事務取扱契約書に、預金の運用について町が必要がある時は預金の一部を他の金融機関に払い出して預金することができるとの条項があり、それに基づき町の基幹産業である農林漁業を司る金融機関、さらに労働者の福利向上に寄与するろうきんにその財政調整基金の一部を預金している。
満期終了後の対策につきましては、指定金融機関を第一義的に考えながら、低金利時代を迎え厳しいものがありますが、金融機関の金利の動向や健全性・安全性の外に町のおかれている産業形態などを総合的に勘案しながら、財政調整基金の保管に努めて参りたい。
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Posted by おだっちの菜の花油 at 09:58│Comments(0)
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