2010年12月04日
<米大統領>アフガン大統領と会わず
<米大統領>アフガン大統領と会わず 公電の暴露で気まずく
【ニューデリー杉尾直哉】オバマ米大統領は3日夜、アフガニスタンを電撃訪問したが、カルザイ大統領とは会わずに15分間電話で協議し帰国した。一旦準備されたテレビ電話による協議すら行われず、「対テロ」同盟国間の不協和音を印象づけた。
米国に反抗的な発言を繰り返すカルザイ氏との不和や、民間の内部告発サイト「ウィキリークス」で、米側がカルザイ氏を露骨に批判していたのが明らかになったことが影響した可能性がある。
オバマ大統領は3日夜(日本時間4日未明)、カブール北約50キロのバグラム米空軍基地に到着、負傷兵を慰問し、米兵を前に演説した。その後、ヘリでカブールのアフガン大統領府に移動し、カルザイ大統領と会談する予定だったが、「強風のため」電話協議に切り替えた。米大統領府によると、テレビ電話の協議が準備されたが、カルザイ氏側が電話協議を望んだという。
「ウィキリークス」が大量の米外交公電を暴露した問題では、アイケンベリー駐アフガン米大使が昨年7月、カルザイ大統領のことを「国づくりの基礎を知らない偏執症の弱い人物」などと酷評した公電が含まれていた。ホワイトハウスによると、3日の電話協議では、両大統領はこの問題について触れなかったという。クリントン米国務長官がすでにアフガン側に謝罪していた模様だ。
カルザイ大統領は、米国に対して批判的な姿勢を強めている。民家などで米軍が実施している夜間急襲作戦を停止するよう強く訴えているほか、11月23日の会見では、アフガン軍への支援が不十分だとして、米国を「不遜な友人」と呼んだ。
また、米紙ニューヨーク・タイムズが今年10月、カルザイ政権がイランから大量の資金をもらっていると報道した際には、カルザイ氏は会見で「袋詰めで現金を受領している」と認めた上で、「米国も(現金をアフガン大統領府に渡す)同じことをしている」と暴露した。オバマ政権は、アフガン安定化でカルザイ政権に当面頼らざるを得ず、カルザイ氏の強気の言動につながっているとみられる。
双方の不和は、政策面でも顕著になっている。カルザイ大統領は旧支配勢力タリバンとの和解を進めようとしているが、オバマ大統領は3日の米兵相手の演説で、「我々はタリバンの勢いをそぐと言ってきた。これまでの守りの姿勢から(タリバンの)指導者を攻撃する側に回り、支配地域から排除している」と発言。カルザイ政権の神経を逆なでしたのは確実だ。
(毎日新聞 12月4日(土)19時47分配信)
お読みになりましたらぜひクリックをお願いします。

Posted by おだっちの菜の花油 at 20:24│Comments(0)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。