2011年02月14日
前進座公演「夢千代日記」
前進座公演「夢千代日記」 「夢千代に勇気づけられ」
劇団前進座が、テレビドラマなどで知られる早坂暁の傑作「夢千代日記」を、大阪・国立文楽劇場で上演している。
山陰のひなびた湯の里温泉を舞台に、胎内被爆した夢千代をめぐる人間模様。主演の今村文美は「限られた日々を懸命に大切に生きる夢千代さんに勇気づけられながら演じています」としみじみ語る。
夢千代は、湯の里温泉の小さな置屋「はる家」の女将(おかみ)。ここには芸者の菊奴(西川かずこ)や金魚(浜名実貴)、まかないのスミ(いまむらいづみ)といった哀(かな)しい過去を持つ女たちが肩を寄せ合うように暮らしていた。
ある日、記憶を失った男が「はる家」に迷い込んできて、いつしかこの町で暮らすことを望むようになる。そんな折、神戸から進出してきたやくざの沼田がこの町に入ってくるが、沼田は昭和20年8月6日、広島で夢千代の母に助けられていたという過去があった-。
これまでテレビドラマで吉永小百合、舞台では三田佳子らが演じてきた夢千代。今回は前進座が新たな脚本で舞台化、昨年10月、東京で初演した。関西では初めての上演になる。
「戦後65年がたちましたが、平和を願う心はいつの時代も変わりませんし、生まれたときから病を得て病とともに前向きに生きていこうとする女性の姿もまた、いつの時代にも共感を得られるものと信じています」と今村。
役作りのため、被爆した人々の話を聞きに行った。「今度はあなたが伝えてください」。その言葉は、舞台で演じることの意味をいま一度問い直すきっかけとなった。「重い言葉でした。でも初演を見てくださった方々が『私たちが求めているものがあった。希望です』と言ってくださった。やってよかったと心から思いました」
台本は志村智雄、演出は志村と橋本英治。公演は20日まで。問い合わせは前進座大阪営業所(電)06・6631・3273。(亀岡典子)
(産経新聞 2月14日(月)15時5分配信)
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Posted by おだっちの菜の花油 at 19:31│Comments(0)
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