2011年07月28日
三陸の「サッパ船」再開 復興は海の上から
三陸の「サッパ船」再開 復興は海の上から
東日本大震災で津波に流されるなど、被害の大きかった三陸海岸の観光船事業が相次いで復活した。観光客の出足は震災以前には遠く及ばないものの、漁師たちは「船を出さないで何をやる」と、本格的な観光シーズンとなる夏休みの再開にこぎつけた。
陸中海岸国立公園の北側にあり、夏でも霧が発生して神秘的な雰囲気となる景勝地・北山崎(岩手県田野畑村)では、今月29日から「サッパ船アドベンチャーズ」が再開される。
サッパ船とは漁師が使う小船のことで、漁師たちは朝方に漁を終えた後、観光客を乗せて約1時間にわたって断崖絶壁を案内する。
貴重な現金収入となっていたサッパ船遊覧だが、津波によって8隻のうち6隻が流される被害が出た。
遊覧船事業をまとめるNPO法人「体験村・たのはたネットワーク」の武井俊樹さん(36)は「漁師たちの間から『ちょっとでもやりたい』『お客さんが来てないからやらないのではなく、やらなければ来ないのではないか』という声があがり、早い段階で再開を決めた」という。つてをたどって青森県の下北半島から中古船5隻を購入し、観光客の受け入れ態勢を整えた。
同村には12の宿泊施設があるが、営業しているのは3施設のみ。周辺の漁港や住宅地は津波の爪あとが残り、今もがれきの撤去作業でショベルカーやダンプが行き交っている。
震災の影響は大きく「休日でも震災前の平日ぐらい」(周辺の観光業関係者)と、観光客は激減した。特にバスで来る大手旅行会社の企画旅行が「まったく来なくなった」(同)という。
それでもサッパ船の復活を聞きつけた人から「少しずつ予約が入りつつある」(武井さん)といい、雄大な自然の景色は震災前とほとんど変わっていないという。
同県ではすでに浄土ヶ浜(宮古市)の「青の洞窟サッパ船遊覧」が生き残ったサッパ船を使って再開しており、漁師たちや関係者は海の上から復興に弾みをつけようとしている。
(産経新聞 7月28日(木)17時9分配信)
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Posted by おだっちの菜の花油 at 18:20│Comments(0)
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