2011年07月28日
セシウム汚染牛「先見えない」 「畜産業は崩壊寸前」
セシウム汚染牛「先見えない」
「畜産業は崩壊寸前」 宮城出荷停止で農家に不安の渦
「再開はいつなのか。先が見えない」「畜産業は崩壊寸前」。宮城県産肉牛の出荷停止が決まった28日、宮城県内の畜産農家に不安が広がった。出荷停止に対する補償を期待する声もあるが、「誰が、どこまで補償するのか」と焦りは募るばかりだ。
登米市で肉牛4千頭を肥育する「日高見畜産」社長、佐藤寿男さん(63)は旧知の顧客から「宮城産の牛肉を応援したい」と頼まれ、牛1頭の処理を準備していたが、慌ててキャンセルした。「全頭検査が始まるから出荷の本格再開の準備をしていたのに」と無念さを隠さない。
出荷停止は経営に重くのしかかる。猛暑で出荷の時期が遅れるほど、暑さに弱い牛が死ぬリスクが高まる。堆肥の出荷も制限されていることから、牛の糞(ふん)尿もたまる。エサ代がかさみ、40人以上の従業員にも給与を払い続けなければならない。
「出荷停止にすれば自粛より補償が明確になるからいい」としながらも、「いつ再開するのか。補償はどこまでされるのか。訴える相手は東京電力なのか国なのか。先が見えない」と不安を漏らす。
同市で肉用牛100頭を育てる千葉正ファーム代表、千葉正一さん(61)は「県の畜産業は崩壊寸前。今日も明日も農協の会議で本業に専念できない。行政が遅れるほど、コストはかさんでいく。最初から出荷停止にすればよかったのに」と批判する。
千葉さんによると、県内の農家は4~5割が東京都の食肉市場に直接肉牛を出荷する。「宮城だけでなく東京でも全頭検査をしてもらわないと再開の道筋が立たない」と、全頭検査の拡大を求めた。
(2011年07月28日17時31分提供:産経新聞)
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Posted by おだっちの菜の花油 at 18:58│Comments(0)
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