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2011年08月08日

<五山送り火>被災地の松「まき」計画中止




      <五山送り火>
      被災地の松「まき」計画中止…放射能を懸念


 東日本大震災の津波で流失した岩手県陸前高田市の高田松原の松に震災遺族らのメッセージを記して京都の「五山送り火」(16日)のまきにする計画が、放射能汚染を懸念する声を受けて中止されることになった。

 メッセージが書かれたまき約350本は陸前高田市内で保管されており、現地入りしている「大文字保存会」(京都市)の松原公太郎理事長らが8日夜、精霊の「迎え火」として燃やす。しかし、京都市には市民から中止を批判する声も多数寄せられている。【成田有佳、古屋敷尚子、入江直樹】

 保存会は遺族らのメッセージを写真に撮り、後日、別の護摩木に書き写して「送り火」で使用するという。

 計画は大分市の美術家、藤原了児さん(61)が発案し、松原理事長に相談したのがきっかけ。藤原さんが震災後に知り合った陸前高田市の旅館経営、鈴木繁治さん(66)がまき集めやメッセージの呼びかけを担った。

 計画が報道された6月末以降、京都市や関係者の自宅に「放射能汚染された灰が飛ぶ」などと抗議の電話やメールが寄せられるようになった。

 保存会はまきのかけらを取り寄せ、民間会社に依頼してセシウムとヨウ素の検査をしたが何も検出されなかった。まきの使用を巡って理事会で意見が割れたが「不安は完全にぬぐえない」と中止を決断したという。

 山本正・副理事長は「陸前高田の方々には申し訳ない。迎え火で燃やすことで気持ちに応えたい」と苦渋の表情を浮かべる。鈴木さんは「時節柄、仕方のないことだと思う」と言葉少なだった。

 藤原さんは「不安に思う人がいるのなら押し通すことはない。保存会が現地で(当初の計画から)形を変えて亡くなった人や遺族らの思いに応えているのは、誠意の表れで感謝している」と話す。

 京都市には8日朝から中止に反対する意見が電話で多数寄せられた。市によると「送り火は死者を鎮魂する場で被災者の思いに応えられる場。『いちげんさんお断り』のようで、京都市民として恥ずかしい」「陸前高田市は原発から離れているのに、被災地の思いを届けようとする真摯(しんし)な取り組みをなぜ中止するのか」などの意見があったという。

(毎日新聞 8月8日(月)12時31分配信)





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Posted by おだっちの菜の花油 at 14:37│Comments(0)
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