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2011年08月16日

<特集>北方領土ビザなし交流20年 「期待」道半ば




    <特集>北方領土ビザなし交流20年 「期待」道半ば  

 ソ連のゴルバチョフ大統領の提案で、北方四島に暮らすロシア人と日本人との間でパスポートと査証(ビザ)を使わずに行き来するビザなし交流が始まって今年で20年目。延べ1万7000人余りが訪問、「相互理解」はある程度進んだかもしれないが、肝心の「領土問題の解決に寄与する」交流に深化しているかどうかは、はなはだ怪しい。

 交流が始まる以前、根室海峡の「見えない壁」をはさんで、どんな人が暮らしているかも分からず、仮想敵国と認識していた両国民のわだかまりはロシア側第1陣が北海道を訪れた92年、霧消した。

 根室市の対話集会で元島民らの組織のトップが「返還されても現島民のみなさんを追い出すことはしない。希望するなら島の開発を一緒にしよう」と発言、返還後の将来像を「混住」と位置づけた。ソ連崩壊から4カ月後の混迷の時代。発言は島民の期待を誘い、最初の訪問では数百人が屋外の対話集会に詰めかけるなど、期待は高まった。

 ロシア側は当初から経済交流を望んだが、実現したのは日本漁船の北方領土周辺での「安全操業」(98年)だけ。そんな中、色丹島を震源とする北海道東方沖地震が発生(94年)。

 日本は、はしけや発電所などを供与する「太陽政策」で島民の目を日本に向けさせようとしたが、ロシアは07年、巨額の連邦予算を投入し、空港や港湾、地熱発電所などインフラ整備に着手。昨年からは韓国や中国に投資を呼び掛け、栽培漁業や観光事業に乗り出そうとしている。日本との経済協力の道は捨てていないが、第三国を巻き込んだ形で自立の道を模索している。

 メドベージェフ大統領が昨年11月、国後島を訪問、開発予算を倍増させて実効支配の強化を進める中、人の交流に限定されたビザなしは形骸化し、日本への興味は失われつつある。

(毎日新聞2011年8月16日(火)13:001)






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Posted by おだっちの菜の花油 at 13:56│Comments(0)
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