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2011年08月17日

<土木学会安全基準> 原発への「想定外津波」反映されず




      <土木学会安全基準>
        原発への「想定外津波」反映されず
      

 原発の安全性に関する国の耐震指針のもととなった土木学会策定の基準を議論する過程で、「想定を超える津波への備えも必要」との意見が再三出されたにもかかわらず、02年に策定された基準には反映されなかったことが、東京電力福島第1原発事故に伴う政府の「事故調査・検証委員会」(事故調)の調査で17日分かった。

 事故調は、想定外の津波への考慮が基準に反映されていれば「東日本大震災における原発の事故被害が防げた可能性は否定できない」と指摘している。

 事故調は、事故以前の津波対策を検証するため、策定当時の関係者から事情を聴いた。

 毎日新聞が入手した内部文書によると、土木学会での議論は99年11月に「津波評価部会」でスタート。2年あまりの議論の中で「想定以上の規模の津波が来襲した場合、設計上クリティカル(危機的)な課題があるのか否か検討しておくべきだ」などの意見が一部の委員らからたびたび出された。

 しかしこうした指摘は、同部会が02年2月にまとめた基準「原子力発電所の津波評価技術」には盛り込まれなかった。

 基準は、津波高を想定する際参考にする過去の事例は、同じ場所で繰り返し発生し記録がはっきり残る地震のみとした。これにより、今回の地震との類似性が指摘される貞観地震(869年)のように、記録と証拠に乏しい地震は考慮されないことになった。

 事故調はこの点について「津波評価の方法として適切であったとまでは言い切れない」と指摘した。

 同部会の主査を務めた首藤伸夫・東北大名誉教授は当時から、想定を超える津波への備えを主張していた。

 事故調は「津波研究の大家であることを理由に主査を依頼したにもかかわらず、持論に沿った形でのとりまとめには至らなかった」とし、さらに「(電力)事業者が積極的に関与したのは責任の表れだが、事業者による自主保安の限界と考えられる」と、同部会の委員に多数いた電力業界関係者の影響も示唆している。

 土木学会のこの基準は、国の「耐震設計審査指針」の06年の改定作業の土台となったが、計48回の議論の中でも「津波は地震の随伴事象」としてほとんど議論されなかった。福島第1原発では、津波高を5.7メートル(1~4号機)と想定したが、今回の事故では10メートルを超える津波に襲われた。

 事故調は、土木学会の基準が全国の原発の安全性の再評価につながったことを重視。「原発の施設設計のあり方を深く議論していれば、このような(適切な津波対策をとる)結論に至った可能性もある」と、作業部会での議論の不十分さを指摘している。

 (毎日新聞 8月17日(水)15時1分配信)





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Posted by おだっちの菜の花油 at 20:34│Comments(0)
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