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2011年09月21日

貿易赤字定着の恐れ 原発停止で燃料輸入急増




       貿易赤字定着の恐れ 原発停止で燃料輸入急増
       円高メリット吹き飛ぶ

      
 8月の貿易収支が3カ月ぶりに再び赤字に転落した。自動車や電機メーカーが東日本大震災から急ピッチで復旧し、輸出は6カ月ぶりに前年を上回ったが、原子力発電所の停止に伴う代替火力発電用の燃料調達のため、輸入が大幅に増え、差し引きで赤字になった。

 本来なら1ドル=76円台前半で推移する円高で安く輸入できるはずだが、そのメリットも吹き飛んだ。“国富”の流出を意味する貿易赤字が続けば、輸出で稼いできた日本の国力の低下は避けられない。

 財務省が21日発表した8月の貿易統計速報(通関ベース)は、輸出から輸入を差し引いた貿易収支額が7753億円の赤字だった。赤字額は8月として過去最大。輸出額は前年同月比2・8%増の5兆3575億円と、震災後初めてプラスに浮上。自動車が5・3%増と伸び、牽引(けんいん)した。

 これに対し、輸入額は19・2%増の6兆1328億円と、20カ月連続で前年を上回った。原発事故の影響で全国54基のうち43基の原発が停止。全国的な電力不足に陥り、火力発電をフル稼働させた結果、主力燃料の液化天然ガス(LNG)の輸入額が55・7%も急増し、金額、数量とも単月で過去最高を記録した。

 8月の平均為替レートは1ドル=77円88銭で、前年同月より9・8%の円高となり、その分、円ベースの輸入価格も割安となるはずだが、輸入量の急増を補えなかった。

 貿易収支は震災後4、5月に赤字となったが、自動車の大減産による輸出の一時的な減少が原因だった。輸出が回復する中での赤字の衝撃は大きい。バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストは「貿易赤字は『輸出減少型』から『輸入増加型』に姿を変え長期化する可能性が高い」と警告する。

 ようやくプラスになった頼みの綱の輸出も先行き不安が強い。急激な円高で日本製品の価格競争力が低下し、ライバルの韓国企業などにシェアを奪われている。さらに欧米に加え、牽引役の中国やインドなどの新興国も景気が減速しており、需要自体が落ち込む懸念がある。

 実際、8月の貿易統計では世界的なパソコン不振を背景に半導体などの電子部品が16・4%減となり、その兆候が出ている。

 クレディ・スイス証券の小笠原悟エコノミストは「年内に貿易黒字に転換するのは難しい」と悲観的だ。赤字定着のリスクが高まっている。

(産経新聞 9月21日(水)20時50分配信)





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Posted by おだっちの菜の花油 at 21:20│Comments(0)
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