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2011年09月25日

<医療&健康ナビ>小児在宅医療  診療報酬に加算新設




     <医療&健康ナビ>小児在宅医療
        診療報酬に加算新設。関心が高まっています。

   
 ◆小児在宅医療 診療報酬に加算新設。関心が高まっています。
 ◇家族に好評、課題は支援
 慢性的なNICU(新生児集中治療室)の病床不足などを背景に、子どもの在宅医療への関心が高まりつつある。昨年度の診療報酬改定で在宅患者訪問診療料に「乳幼児加算」が新設されるなど在宅への移行を推進する動きはあるが、地域の受け皿はまだ少なく課題は多い。

 ◇呼吸器使用も可能
 「最近は家族で出掛けましたか」。手稲渓仁会病院(札幌市手稲区)の土畠智幸・小児NIV(非侵襲的換気療法)センター長は、札幌市内のマンションの一室で、男児(5)の診察をしながら母親(42)に声をかけた。

 そばでは、同院のチャイルド・ライフ・スペシャリスト(小児患者や家族のケアの専門家)が男児の姉(8)と本を読んでいる。

 男児は、生後4カ月で難病の脊髄(せきずい)性筋萎縮症と診断された。全身の筋力が低下し呼吸不全などを起こす病気で、男児は診断前から人工呼吸器を使用。土畠さんから「在宅」という選択肢を聞いた時、母親は「呼吸器をつけて自宅で生活するなんて想像もできなかった」と振り返る。

 同市内で10年以上前から小児患者に対応してきた訪問看護ステーションなどを紹介され、男児は1歳6カ月で自宅に帰った。現在は訪問看護と介護(障害福祉サービス)をそれぞれ週2回、往診は月1回程度。09年には家族で首都圏への旅行も果たした。

 母親は「呼吸器の扱いなど命に関わることが多いので、最初はすべてが不安だった。今では息子が家にいるのが当たり前になった」と話す。

 同院では06年から同市内を中心に小児の訪問診療を始め、現在は約30人の往診をしている。在宅移行を希望する家族には、入院中にたんの吸引などを指導し、個室で在宅を模擬体験。さらに数回の外泊を経て退院してもらう。

 土畠さんは「『家に帰ってよかった』という声は多いが、親が病気になった時や少し休みたい時に利用できる短期入所先が少ないなど、在宅医療を支える仕組みは不十分」という。男児の母親も「子どもの成長はうれしいが、親はどんどん年を取り、24時間体制の今のケアをいつまで続けられるか分からない。年に数日だけでも休める日があれば……」と不安を漏らす。

 ◇地域の受け皿不足
 厚生労働省研究班(主任研究者、田村正徳・埼玉医科大教授)の全国調査によると、1年以上NICUに入院する事例は毎年約200例発生している。厚労省は在宅移行を進めるためのコーディネーターの配置などを推進し、長期入院児はわずかに減少傾向にあるという。

 だが、田村教授は「社会全体で『重症児でも子どもの世話は育児の一環』という考え方が根強く、家族、特に母親が負担を背負って在宅に移行しているのが現状だ」と指摘する。

 田村教授によると、自宅で家族とともに過ごすことは、成育環境として望ましいだけでなく、急性期の患者を受け入れる病床の確保や医療費削減にもつながる。だが、研究班の調査では「小児の在宅を10例以上経験」と回答した在宅療養支援診療所は、全国でわずか31カ所。

 田村教授は「小児の訪問診療の診療報酬アップ、訪問看護の回数制限撤廃など、医療保険のあり方を変えなければ、医療機関も家族もなかなか在宅に踏み切れない。将来的には介護保険の小児版も必要だ」と話す。

 ◇看護師の役割重要
 医療スタッフ側も、在宅移行を検討する家族らとの関わり方を模索している。奈良間美保・名古屋大教授(発達看護学)らは今年3月、医療者向けの「小児在宅ケアガイドライン」を公表した。

 医療的ケアの技術的な指針ではなく、子どもや家族を中心とした在宅医療を進めるために、看護師らがどう支えていくべきかを提案した。

 奈良間教授は「在院日数短縮化の流れと、地域に受け皿がない家族のはざまで戸惑う看護師もいる。発達が続く子どもの場合は退院はゴールではなくスタート地点。子どもの将来を考えながら家族の意向を尊重した支援をすることで、結果として在宅移行がスムーズに進む可能性もある」としている。【大場あい】

 (2011年9月25日(日)13:00 朝日新聞)



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Posted by おだっちの菜の花油 at 13:26│Comments(0)
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