2012年12月14日
放射性物質の拡散予測 不十分な検証内容で「住民目線」が欠如
放射性物質の拡散予測 不十分な検証内容で「住民目線」が欠如
■点検重要性、低い認識
原子力規制委員会が13日に修正した放射性物質の拡散予測シミュレーション。ミスが相次いだことについて、規制委は「点検の重要性に対する認識の低さ」があったことを認めた。
ただ、修正版を公表する際には、修正した箇所を明示した資料を用意しないなど、実際に拡散予測を使う自治体や住民の目線が欠けた内容だった。信頼回復には組織の抜本的な意識改革が必要だ。
「以前のものは取り下げる。今回のものを使ってほしい」
修正版の説明にあたった規制委事務局の規制庁の担当者は、当初公表した拡散予測との変更点を聞かれると、そう回答した。
規制委が修正前と修正後の違いを説明する資料を用意したのは、大幅な修正となった泊、玄海、川内の3原発のみ。
柏崎刈羽原発では対象となる自治体名が変更されたが、残り14原発の詳細な説明はなかった。
規制委はミスが相次いだ原因を分析した報告書も作成した。報告書によると、原子力安全基盤機構(JNES)に拡散予測を外注した際、十分な人員が確保されるかなどの確認が行われず、試算方法も途中で変更。
さらに、事業者から入手した気象データは様式が統一されていないなど、作業方法や工程管理に問題があったとした。
また、正確性を調べる重要性の認識も低かったと反省点を挙げた。しかし、なぜ認識が低かったのかなど、組織の根本的な体質には言及しておらず、不十分な検証内容となった。(原子力取材班)
産経新聞 12月14日(金)7時55分配信
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Posted by おだっちの菜の花油 at 09:26│Comments(0)
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