北海道上ノ国町・天の川菜の花油工房　尾　田　孝　人

　　　　　　　　かすむ財政健全化＝民自公、公約に大型補正【12衆院選】

　16日投開票の衆院選では、先進国で最悪の状況にある財政の健全化をめぐる議論がかすんでいる。

　与党の民主党、優勢とされる自民党、同党が連立相手と見込む公明党が、こぞって政権公約に年明けの大型補正予算編成を明記。財源を明示せずに「大風呂敷」を広げる姿勢が目立ち、財政再建に向けた論議は深まっていない。

　民主が政権公約に「2013年冒頭に大規模な補正予算を編成する」と盛り込んだほか、自民は5兆円を上回る規模、公明は10兆円規模を主張する。

　財源を確保するために国債を増発すれば、民主を中心とする政権が維持してきた新規国債発行額「約44兆円以下」という枠を突破するのは確実。市場関係者は「日本国債の信認低下」を懸念する。

　政府は国と地方の基礎的財政収支について、15年度までに国内総生産（GDP）比で赤字を半減させ、20年度までに黒字化させる中長期の財政再建目標を掲げている。

　しかし、8月に成立した消費増税法に基づき消費税率を14年4月に8％、15年10月に10％へ引き上げても、20年度の黒字化は程遠い。

　自公は財政健全化に取り組む姿勢は示しているものの、大型補正予算に加え、公共事業を積極的に推進する方針も打ち出しており、「整合性が取れていない」（経済官庁幹部）との指摘もある。

　国際通貨基金（IMF）の世界経済見通しによると、日本の公的債務残高のGDP比は12年末に237％に達し、欧州債務危機の震源地ギリシャの171％をも上回る。衆院選後の政権は財政再建の目標を掲げ、その達成に向けた道筋を描くことが求められる。

時事通信 12月14日(金)16時34分配信






　 お読みになりましたらぜひクリックをお願いします。
　　　

あなたにおススメの記事