2014年02月21日
浅田、最後に「最高の恩返し」=4年前の借り返す〔五輪・フィギュア〕
浅田、最後に「最高の恩返し」=4年前の借り返す〔五輪・フィギュア〕
喜びや悲しみ、苦しみなど23歳までの「人生」を詰め込んだフリー。これぞ「浅田真央」という滑りを最後に見せてくれた。
冒頭でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を片足で着氷した出来栄え加点も付く、1年ぶりの成功。団体とSPで転倒した代名詞の大技を、五輪で最後のチャンスで決めた。「よし、このままいける」
プログラムに思いが込められているように、ジャンプはバンクーバー五輪以降に、滑りを基礎から立て直してきた成果をちりばめた。大技は1回で我慢。その代わりに、全種類の3回転に挑んだ。
まさかの16位に出遅れたSPはジャンプを全て失敗し、「今まで何をやってきたんだろう」と途方に暮れたが、積み重ねてきた努力を信じて跳び続けた。
気持ちが吹っ切れる言葉があった。この日朝の練習後、佐藤信夫コーチに昔話を聞かされた。34年前のレークプラシッド五輪で、教え子の松村充がへんとうを腫らしながら8位に入った話だった。名伯楽は「何かあっても助けにいくから」。
荘厳で、愁いや情感に満ちたラフマニノフ作曲の「ピアノ協奏曲第2番」。銀メダルに終わった前回もフリーはラフマニノフの「鐘」だった。あえて同じ作曲家にしたのは、「ラフマニノフの借りはラフマニノフで返す」
4年前は、負けたこと以上に、つまらないジャンプのミスを終盤に重ねたことを悔やんだ。この日も踏み切り違反や細かな回転不足はあったが、やり切ったから気にならなかった。フリーだけなら3位。自己ベストを大幅に更新した。
演技を終えると歓喜の涙がこぼれ、その後、笑顔に変わった。「この4年間、たくさんの方々に支えられた。最高の演技で恩返しできたのでよかった」。最高の結末ではなかった。だが集大成にふさわしかった。(時事)
時事通信 2月21日(金)8時6分配信




Posted by おだっちの菜の花油 at 09:17│Comments(0)
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