2014年09月09日
2014年09月09日
9月議会尾田議員の一般質問と町長の一回目の答弁
今日9日に開会された平成26年第3町議会定例会で、尾田孝人議員の一般質問への町長の第1回目の答弁を掲載します。
尾田議員の再再々質問と町長の答弁については、会議録が精査され公開され次第掲載します。
9月議会尾田議員の一般質問と町長の一回目の答弁
質問・尾田議員
1、災害に強いまちづくりとハザ-ドマップで安全意識の向上対策を
地球環境の変化による異常気象が起因と思われる豪雨災害の多発で、広島県内では多数の犠牲者を出した土石流災害や、先般、政府推計で公表された日本海側の地震による大津波では、わが町では、最大10.5mの津波の到来と、6分以内に襲来するとの予測が明らかにされました。
津波に対する町民の避難行動を明確にする一助として、海抜標識の設置を町内各地域に設置されましたが、これまで北海道が予測していたわが町の津波の高さは5.5mでありました。
豪雨による土砂災害、津波災害等に機敏に対応できる町防災計画の見直しやハザ-ドマップの再編さん等も早急に求められていきますが、どの様に対処なされていくのか伺います。
また、町内各地域に設置している海抜標識を、地域住民が日常的に目にしている消火栓の数までに増やし、消火栓に併設して機敏な避難意識の向上を図っていくべきでありますが如何か。
町は防災週間の取り組みとして、防災無線で町民にハザ-ドマップを普段から読んで、防災意識を強めるように呼びかけていますが、町としてハザ-ドマップを教本に各地域住民と学び合う集まりを開催していくべきですが如何か町長の所見を求めます。
答弁・工藤町長
十番、尾田孝人議員のご質問にお答えいたします。
一点目、「災害に強いまちづくりとハザードマップで安全意識の向上対策を」のご質問であります。
上ノ国町地域防災計画の見直しにつきましては、現在、北海道の防災計画改訂を踏まえた見直しを進めているところで、今年度中に作成することとしております。
津波ハザードマップの見直しは、国土交通省において「日本海沿岸における大規模地震に関する調査検討会」報告書により津波の概略計算の公表がありましたので、今後北海道において本結果をもとにし、道としての詳細な津波浸水想定の設定をすることから、それを踏まえて実施することを考えております。また洪水ハザードマップ等については、当面見直しの必要はないものと考えております。
次に、海抜標識の増設につきましては、現在、避難所・避難路・避難階段に設置しており、今後は道の津波浸水想定の設定を見極めながら増設も検討して参りたいと存じます。
次に、防災意識の向上につきましては、被害の状況により役場や消防署などが、早期に実効性のある対策をとることが難しい場面も考えられます。「自分たちの地域は、地域住民自らが守る」という自助・共助の意識啓発を図り、住民自らが防災活動を実践していくことが何よりも重要と考えていることから、地域で話し合うため町内会などから要請があれば、防災担当課、地区担当職員などが赴き防災意識の向上に努めて参りたいと存じます。
質問・尾田議員
2、地域おこし協力隊制度の導入と大学等との連携強化を
総務省が2009年度に政策化した「域おこし協力隊」制度を桧山管内各町が同事業を導入し、部外人材による新たな目線・視点を活かした、まちづくりの方向性を探る取り組みと情報発信の強化を図っております。
部外人材の地域おこし協力隊員が町民の皆さんと触れ合う中で、一人ひとりの町民が新たな目線で物を見る、考えることにプラスになることも期待されます。
わが町の行政情報は、所管する各課が発信しています。その他町に関係するイベントなどの情報発信は、主に関係職員が個人サイトで情報発信をしている状況にありますが、地域興し協力隊をわが町情報発信基地の中核に位置付けすることもできます。
協力隊員がわが町への定住に繋がっていくならば、同制度導入の大きな成果を得ることにもなります。
これらの観点から、地域おこし協力隊制度導入を図っていくべきでありますが如何か。
また、部外人材の活用ができる集落支援員、新・田舎で働き隊、緑のふるさと協力隊制度など部外人材活用の制度研究を進めていくべきでありますが如何か。
さらに、各大学学部生を招き、わが町を見て聞いて楽しんで頂きながら、町民との交流の場を設け部外者と率直な意見交換を交わし、町民の新たなまちづくり意識の醸成を図っていくべきでありますが、町長の所見を求めます。
答弁・工藤町長
次に二点目、「地域おこし協力隊制度の導入と大学等との連携強化を」のご質問であります。
地域おこし協力隊制度は、平成二十五年度末現在で北海道内の五十八市町村で導入しており、檜山管内では四町がこの制度を活用し、隊員が産業・観光振興等に従事していると聞いております。また、大学等との連携でございますのが、道内の状況は把握しておりませんが、管内ではこれも四町が大学と連携し、産業振興・地域文化の育成・不登校の解消などの取組みをしていると聞いております。
地域おこし協力隊等について、これまで活用している市町村にその実態等を聞いたところ、生活環境に馴染めず期間満了前に退職するケースや期間満了まで勤めても定住にはなかなか結びつかないと伺っております。同制度の導入につきましては、今後とも他市町村の活用実態等を参考にしながら検討して参りたいと存じますが、今のところ考えておりません。
また、大学等との連携につきましては、既に北海道大学水産学部がウニの餌料開発のため、町や漁業者と協力して産官学連携により実践しており、また、北海道大学学生を中心とするYOSAKOIソーラン祭り出場チームが、エゾ地の火まつりに参加し、町内の若手と準備の段階から協力しながら交流を深めております。今後とも目的に合せて連携して参りたいと存じます。
質問・尾田議員
3、住宅リフォ-ム助成金制度(仮称)」を創設検討の進捗状況は
3月議会の一般質問で、町内各地域で空き家が増加し、高齢者の夫婦世帯や独居老人世帯も含め、特に海岸方面では、塩害等による住宅の傷みが農村地域より激しい住環境にあるため、町民皆さんの持ち家住宅の安全性や耐久性等を図るために「住宅リフォ-ム助成金制度(仮称)」を創設して、安心して快適な暮らしができる居住環境の整備促進を図ると共に、町内住宅関連産業の振興と雇用を促進し、地域経済の活性化を図るべきとして町長の所見を求めました。
町長は、わが町の民間住宅の半数は、築30年以上経過して老朽化が進行していると推定され、住宅の安全性や耐久性及び居住性の向上に係る需要は強くあるものと認識している。
また、電気料金や灯油価格の高騰の対策や省エネルギー化の推進など、快適な暮らしなどを実現する住宅リフォームは、安全安心なまちづくりの実現に対してとても有効な方策であると考えている。
さらに、町内住宅関連産業の振興及び雇用を促進して、地域経済の活性化の推進に寄与する効果があることを認識し、住宅リフォームに要する費用の一部を助成することについて検討して参りたいと答弁なされましたので、制度創設についての検討はどの様に進捗なされていますがお伺いします。
答弁・工藤町長
次に三点目、「住宅リフォーム助成金制度(仮称)創設検討の進捗状況は」のご質問であります。
住宅リフォームに要する費用の一部を助成することについては以前に、「住宅の安全性や耐久性及び居住性の向上に係る需要は強くあると認識している。安全安心なまちづくりの実現に対して有効な方策であると考えている。地域経済の活性化の推進に寄与する効果があることを認識している」と答えておりますが、現在の町内建築関連事業者の状況を見ますと、農業経営者、水産業経営者、及び中小企業者へ対する設備投資支援策の副次的効果や公共事業の発注が一定程度されていることから、住宅リフォーム助成金制度の創設につきましては現在のところ考えておりませんのでご理解願います。
質問・尾田議員
4、ウニ移植・放流事業と漁獲の増大は
全道的に今年のウ海水温の変動や漁期にしけが多かったなどから不漁となり価格が高騰したとのことでありますが、ひやま漁協では、キタムラサキウニの実入りが良好であったとのことであります。
ひやま漁協内のわが町と各町におけるキタムラサキウニ漁の出漁日数と漁獲量及び漁獲高の推移はどのようなっているか。
また、移植事業は漁獲量増大の実績に結びついているのか。
さらに、ウニ漁の漁業者が殻付きで販売している量と販売額、殻から実をはずし折り詰めにして売る二次加工で販売している量と金額、漁家数はどの様になっているのかお伺いします。
答弁・工藤町長
次に四点目、「ウニ移植放流事業と漁獲の増大は」のご質問であります。
地球規模の気候変動による異常気象の影響で、温暖化など海洋環境に変化が生じ、来遊魚の漁模様が思わしくない状況が続き、回遊魚を主体とする本町の沿岸漁業が打撃を受け、漁家経営が嘗てない厳しい状況となっております。
このようなことから、根付資源であるウニの漁獲増大と資源管理を目指し、平成二十一年度から身入り不良となっているウニを昆布などの海藻類が繁茂している場所に移植をする身入れ不良ウニ移植事業を実施しているところでございます。また、漁獲によるウニ資源の枯渇を防ぐことや持続可能な資源量の確保のため、平成二十五年度から種苗放流事業も併せて実施し、育てる漁業を推進しております。
まず、ウニの出漁日数でございますが、平成二十五年度は、北区七回、中区十一回、南区七回となっており、今年度については、漁期が終わっていませんので取り纏めはしておりませんが、現段階で各地区八回ほど出漁していると伺っております。また、檜山管内については、把握しておりません。
次に、ひやま漁協各支所毎の平成二十五年度漁獲量及び漁獲金額でございますが、本町で三.二トン、一千九百八十七万円、江差支所で、二.一トン、一千八百四十五万円、乙部支所で二.四トン、一千百十八万円、熊石支所で〇.二トン、百九十三万円、瀬棚支所で十一.八トン、八千二百八十六万円、奥尻支所で五.一トン、一億三千八百八十九万円となっております。また、平成二十六年八月末現在の本町の状況は、二.二トン、一千九百七十一万円となってございます。
次に、漁獲量増大の実績に結びついているかとのことですが、過去の漁獲量実績から急激に増大してはおりませんが、本事業を実施することによって、確実に漁獲の維持・確保が図られていると考えております。
次に、ウニ漁漁業者の殻付きウニ販売と二次加工については、把握していない状況でございます。また、ひやま漁協上ノ国支所にも問合せをいたしましたが、実績がないと伺っております。
質問・尾田議員
5江差・松前千年北海道手形上ノ国千年プランの取り組みの成果と今後の課題は
北海道新幹線開業が目前に迫っている道南地方では、各市町村が連携し、それぞれ魅力的なプランを構築し、観光客誘致に取り組んでいます。
今年度は、新幹線木古内駅活用推進協議会を事務局として、江差・松前千年北海道手形と名を冠して7月8月の2ヶ月間の体験観光バスツア-を実験運行しました。
わが町も独自の上ノ国千年北海道プランを構築して、体験観光客の誘致促進を図ったところであります。
町として初めて千年北海道手形を取り組む中で、他町にない成果と今後一層体験観光客誘致を推し進めるに当たっての課題など、総括的な評価をどの様に捉えたのか町長の所見を求めます。
答弁・工藤町長
次に五点目、「江差・松前千年北海道手形上ノ国千年プランの取り組みの成果と今後の課題は」のご質問であります。
函館バス株式会社が長年に渡って運行している江差・上ノ国・松前周遊定期観光バス「道南史蹟めぐり」の利活用を図り、滞在交流に繋げる取り組みを檜山南部五町と渡島西部四町で組織する北海道新幹線木古内駅活用推進協議会で、協議してきたところでございます。
本年度、七月・八月の二ヶ月間実施した「江差・松前千年北海道手形」は、構成町である九町がそれぞれに観光客のニーズに合わせた滞在観光メニューを提供し、観光客誘致に繋げる実証実験に取り組み、当町では十六名の利用があったところでござます。
総括的な評価は、同協議会が各町の実績を取り纏め、次年度の取り組みも含め今後、協議することとなっておりますので、それを踏まえ、取り組んで参りたいと考えておりますが、観光ガイドの育成や移動手段に加え、観光客のニーズに合わせて多彩で魅力あるメニューの提供など課題が多いと評価しているところでございます。
質問・尾田議員
6、天野川及び同水系の自然環境保護保全と魚道の新増設を
町内各河川に設置されている魚道はどの様な実態にあり、河川の自然環境保全と保護のために更なる魚道の増設河川箇所はないのか。
特に、わが町民の多くが飲料水として利用している水道水は、町内桂岡地区内の苫符川を水源とされていますが、桂岡市街地から約1.5km余りの箇所にダムが設置され、魚道の設置がなく清流の苫符川を遡上する魚が上流域に遡上できない状況にありますので、関係機関に魚道新設事業の要望を推し進めていくべきですが如何か、町長の所見を求めます。
答弁・工藤町長
次に六点目、「天野川及び同水系の自然環境保護保全と魚道の新増設を」のご質問であります。
はじめに、魚道の実態でございますが、施設の管理者が多くあることから函館市に事務所を置くNPO法人北海道魚道研究会へ問い合せしてみたところ、「全道的にはおよそ二割ぐらいの施設に土砂の堆積が見られる状況であるが、上ノ国町内にある施設だけの資料は無いので不明である。なお、近々町内において魚道の清掃を予定している」との回答がありました。
次に、魚道の増設箇所につきましてでございますが、現在のところ、新たに魚道の整備に関する河川協議や工事の申請はされておりません。
次に、苫符川にある「天の川(苫符川)堰堤」でございますが、この施設は昭和四十八年度に国有林を管理する函館営林局が設置した床固め工で、河床の傾斜を緩やかにして上流域の土砂を流れにくくする効果を目的とした治山ダムのひとつで、その後の昭和六十年頃には、上ノ国土地改良区が取水施設を増設しております。
この施設には、現在魚道の設置がされていない状況となっておりますので、今後、施設を管理する檜山森林管理署へ、整備の要望をして参りたいと考えておりますのでご理解願います。



