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2009年05月01日

身の朽ちるまで

 政権交代へ身の朽ちるまで=民主・小沢氏

 民主党の小沢一郎代表は1日、
 札幌市で開かれた連合北海道主催の
 「全道メーデー」であいさつし、
 「今年の衆院選で何としても政権交代を実現する。

 この目的のために自分自身の身の朽ちるまで、
 その使命を達成することを約束する」と述べ、
 代表として政権奪取を目指す決意を改めて強調した。

 小沢氏は「自民、公明両党は衆院選で、
 3分の2の多数という力を確実に失う。

 一方で参院での野党の過半数は変わらない。
  「民主党を中心とする政権をつくる以外に
 国会のねじれを解消する方法はない」と訴えた。

 自らの秘書が逮捕、起訴された
 政治資金規正法違反事件には触れなかった。 
     (自治ドットコム・2009/05/01-12:55)



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Posted by おだっちの菜の花油 at 17:18Comments(0)

2009年05月01日

北海道の「里」にある自然(2)

  北海道の「里」にある自然と生物多様性(2)
     佐藤 謙 北海道自然保護協会会長

            (NC HOKKAIDA2009年3月NO141号より)


  全国的に展開中の「里地里山の保全」

 環境省(2008)「里地里山保全再生計画作成の手引き」によると、「里地里山」とは、幾世代にも渡り、人々が自然に働きかけ、持続可能な農林業の営みが行われてきたいちばん近くにある自然空間であり、「里地里山保全再生計画」は、人々の適切な「維持管理」により、「生物多様性に富んだ空間」を保全再生し、地域社会とともに持続可能にすることを目的とした計画であるという。この点は、北海道に該当しないので大きな問題となる。

 里地里山(二次林や農地を主体とした地域)の全国分布に関する環境省の説明は、以下の通りである。本州以南の4タイプの二次林、すなわち本州北東部のコナラ林タイプ、信越・中国地方日本海側のコナラ林タイプ、瀬戸内地方のアカマツ林タイプ、そして関東南部・紀伊半島南部・九州のシイ・カシ萌芽林タイプでは、放置するとタケ類が進入繁茂すること、上記のうちコナラ林(落葉広葉樹林)では常緑広葉樹の侵入繁茂が著しいこと、いずれも林床が暗くなる変化によってコナラ林に生育していた希少種が激減・絶滅してきた。

 本州以南の二次林では「放置後の自然遷移」によって絶滅・激減する希少種が多いことが問題視されたのである。そのため、薪炭、農業への落葉利用、シイタケ栽培、林内放牧などのため利用しながら二次林状態を持続させてきた過去と同様に、改めて二次林を「人手を加えて維持管理」し、「生物多様性保全」を図ろうとする政策が生じた。

 他方、北海道に関する2タイプの二次林、すなわち本州北西部・道南のミズナラ林タイプと黒松内低地帯以北の北海道におけるその他の二次林(シラカンバ林)では、放置すると自然林に代わることが明記されている。ちなみに、前項で述べた北海道に広く分布するコナラ亜属萌芽再生林は二次林と見なされていない。
 北海道の二次林について、「人手を加える維持管理が必要である」との認識や施策は、学会でも行政でさえも認めていない。

     

  里地里山における私たちの課題

 北海道の人里に近い地域、「里」においては、まず、本州以南の「里地里山」と同じように「二次林」であると予断してはいけない。また二次林だから「人手を加える管理」が必要と考えてはいけない。全国キャンペ-ンを短絡的に鵜呑みにしないで、その良い内容だけを習うべきである。

 良い内容とは、何よりも先に、生物リスト作成(生物相の把握)や植生の現状把握など、地域ごとにその宝物である「生物多様性の現状把握・財産目録作成」を行うこと。各種専門家の協力を得てそれを「科学的に綿密に」実行することである。

 次に、その作業課程において、多くの「市民参加」と、広範な市民への「自然環境教育」があるとすばらしい。市民の熱意は、具体的な「人手を加える管理」への参加ではなく、まず「科学的な現状把握の課程」に集まってほしい。それを前提にすると、どのような保全策または管理策を講ずるべきか、市民の合意形成が容易になるであろう。



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Posted by おだっちの菜の花油 at 16:37Comments(0)環境・自然

2009年05月01日

北海道の「里」にある自然

 北海道の「里」にある自然と生物多様性(1)
    佐藤謙北海道自然保護協会会長
        (NC HOKKAIDO2009年3月NO141号より)

はじめに

 従来、自然の守り手は、自然性の高い地域や希少種に富む特異な地域、主に高い標高地にある「自然域」を選定して保護・保存してきた。自然環境保護法、自然公園法、文化財保護法、鳥獣保護法など各種法令に基づく保護地域は、非森林植生に被われる「自然域」に限られる傾向が強く、森林植生が相対的によく残された自然域と林業域は国有林が管理し、さらに低い標高地(農業域と都市域)は民有地となるため、相対的に低い標高地では「生物多様性の保全」はなかなかすすまなかった。

 生物多様性条約を批准後の1990年代から、我が国では一次産業にかかわる法令「生物多様性保全」の理念が組み込まれてきたが、近年、環境省の重要な政策の一つとして「里地里山の保全」が掲げられている。
 この全国的に展開中の動きは、従来、注目されてこなかった低い標高地の自然・生物多様性を保全しようとする点で評価できるが、自然再生と同様に、真に「保全」や「再生」になるのか、この動きに関して厳密なチェックが必要である。

 「里地里山」とは、環境省自然環境局(2008)によると、都市域と原生的自然との中間に位置し、様々な人間の働きかけを通じて環境が形成された地域であり、集落をとりまく「二次林(里山)」と、それらと混在する「農地、ため池、草原等(里地)」で構成される地域概念である。実際には、二次林 の他に「自然林、人工林等」も含まれると考えられるが、その中核部分が「二次林」とされる。
 しかし、以上のうち、里山概念は、後述するように、北海道の実態にまったく合わない。したがって、北海道における人里に近い地域の自然・生物多様性の保全に関しては、北海道独自の保全目的と方法の吟味が必要である。

 

北海道における二次林

 北海道の二次林には、第一に、カバノキ科カンバ属(ダテカンバ・シラカンバ・ウダイカンバ)やヤナギ科ハコヤナギ属(ヤマナラシ・ヤマナラシ・ドロノキシ)などの陽樹からなる一斉林がある。これは、全道に見られるシラカバ一斉林で代表されるが、林冠の樹齢・樹高が揃っており、皆伐や山火事の跡地、あるいは耕作放棄地に一斉に種子が散布され、種内競争によって間引きされながら成林した森林(山火再生林など)である。その林床ではクマイザサが密生し、草花が少ない場合が多く、全体的に野生植物の種数や個体数が少ない傾向が認められる。

 第二に、カシ属コナラ亜属(ミズナラ・コナラ・カシワ)のように伐根から芽を出す萌芽性のある樹種は、山地帯・冷温帯の自然林構成種であるが、伐採が繰り返されるにつれて顕著に優占するようになり、二次林を形成する。
 ミズナラ二次林は全道に、コナラ二次林は空知・石狩・胆振・日高・十勝地方に、そしてカシワ二次林は海岸地帯の他に石狩・十勝地方などに認められる。しかしながら、これらの萌芽再生林は、伐採・萌芽後の時間経過に伴って群落構成種・樹高などが自然林に近い場合やほとんど自然林と見なされる場合が生じる。

 北海道の二次林は、放置されるとどうなるか?ミズナラ・コナラ・カシワの萌芽再生林は、現在でも、低い標高の生産活動域における野生生物の生息地として重視される。この森林は、自然のまま放置しても比較的短い期間(50年ぐらい)でさらに多様な生物が生息できる自然林に推移(遷移)すると考えられる。
 植生自然度でいうと、8から9へ推移する。他方、シラカバ二次林については、放置されたままで自然林へ推移する(植生自然度7から9へ)との環境省の説明がある。しかしながら、カンバ属の陽樹一斉林・山火再生林は、コナラ亜属萌芽再生林と比較すると、野生植物の種数・個体数が少ない状態にあるため、自然林まではより長期の100年~300年かかると予測される。



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Posted by おだっちの菜の花油 at 10:39Comments(0)環境・自然