2008年11月28日
「市民とつくるマニフェスト」
「マニフェスト・スク-ル青森」報告その5

「市民とつくるマニフェスト」について、プライニングネットワ-ク東北・理事長
慶應義塾大学大学院政策・メデア研究科特別研究教授の中橋勇一氏が講演しました。
中橋氏は、政策マ-テングにおいて事務事業の評価は、効率的な面で評価はできますが、行政評価は、事務事業だけでは評価できない。
住民のくらしやすさからの評価に、生活に関係ある事業をあげてみてチェックしてみること。官から民ができるのではないかの比較をしてみることが大事である。
その政策が本当市民にとって必要なものだったのかどうか、 評価するのが政策評価でなければなりません。
都市の中ではこのような問題も起きています。市内にどんどんマンションが建って多くの新しい市民が増えてくるので喜んでいますが、多くのマンション住民が地域住民とのニミニケ-ションを取れない生活をしている。地域に人が増えても従来住んでいる住民との接触がない。買い物は郊外の大型店舗に行ってしまう。これでは町中の商店の売り上げにはつながらない。
新しい住民とどの様なつながりを作っていくのか。「まちなかハッピネス(生活価値)」をどう築き上げて、ともに暮らしよい地域社会をつくるかを、考えていかなければならないことになります。
それを解決していく方策として、行政は、市民とともにマニフェストを作り上げていくことです。

マ-ケティングとロジックモデル
マ-ケティングシ-ト
私たちが気になっていること、どんな地域にしたいかの活動目的(似た問題や関わりの深い問題)が明らかにされ、そのための活動目的で大切なこと(役割分担や気づいたこと)は何かが分かってくる。
ロジックモデル
私たちの今の地域の姿を(私たち・他の担い手)それぞれの活動で、短期的な成果(意識が変わる)、中期的な成果(行動・仕組みがわかる)、長期的な成果(実態が変わる)、そしてめざす地域の姿を作り上げていくことができる。

まちなかハッピネス(生活価値)の流れの具現化
マ-ケティングする市民主体のグル-プづくり
まちなかハッピネス(生活価値)を見える化する
(1)定性調査(網羅的に生活価値(候補)を抽出)(2)定量調査(生活価値(候補)の重みづけから、特に注目する生活価値の抽出)(3)生活価値マトリックスに整理(ビジョン・ゴ-ル・生活価値の価値体系を想定)
まちなかハッピネス(生活価値)を指標化する
(4)ロジックモデル(生活価値を実現する道筋の確認-投入資源・活動・短期アウトカム(気づき&つながり&モビリティ))(5)指標化(短期・長期の生活価値の設定)(6)(指標の現状価値を測定(アンケ-ト調査、情報システムを活用しデ-タ収集))(7)めざそう値・分担値の設定(活動実感から、たどり着きたい水準と、想定する役割の重さを調査(対象者のリストアップ、調査票の配布))
まちなかマ-ケティングの社会インフラをつくる
(8)情報共有の仕組みづくり(情報コミニュティ、情報サイト、情報コモンズ)(9)価値共創の仕組みづくり(実践活動、共創の場づくり、協定・ル-ルづくり、交流の活発化、技術開発)
*ここでいう「価値」とは①「もの」ではなく「こと」(何かよいこと)②価値=最終アウトカム(社会に実現したこと、共創が不可欠)
などと、市民とつくるマニフェストの方法論を説きました。

以上の方法論を根拠にして、参加した各議員らがグル-プに分かれて、2時間でマニフェストづくりの実践に取り組み、それぞれのグル-プが報告することを行いました。
中橋氏の講演・講義を受ける中で、住民の代表者として選ばれた議員が、住民の求める政策をいかにして具体化し実現させていくのかについては、議員の想い、行政の想いだけでつくり上げていく(形だけ住民を入れても)ものは、本物の住民の目線にたった、住民と共創した政策実現ではないこと。また、住民とともに(分担しあいながら)まちづくりを進めていく、理論的方法論を学ぶことができました。
また、参加した宮崎県・青森県議会議員の皆さんや各市町村議員の皆さん30人との名刺交換を行わせていただき、意見交換ができたことは、今後の議員活動に大きな励ましとなりました。
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