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2009年02月06日

上ノ国町議会も改革なしでいられないその1

 いま全国の地方議会では自ら議会改革に積極的に取り組み始めました。檜山管内では今金町議会、渡島管内では福島町議会、七飯町議会、知内町議会などが、議会基本条例を制定したり制定に向けて取り組んでいます。

 私も議員として推薦して頂いている“変えなきゃ!議会” では、議会改革の共通改革目標を掲げて取り組んでいます。

 議会改革の課題は多岐にわたっています。

 地方自治法という国法が議会という自治の機関の運営についても詳細に規定しているという制度のあり方そのものも大きな問題で、法改正によらなければ実現できない項目も多数あります。
 しかし、現行の制度のもとでも実現できることで、できていないことも多いのです。その一方で、すでに改革に意欲的に取り組んでいる議会ではある程度実現できている項目もあります。

 改革が実現されれば、何が変わるのでしょうか?

 ひと言でいえば、政治の動きが、普通の市民の目に見えるようになります。そして、その政治の動きに対して、何か意見があれば、自分も当事者になれる機会ができます。
 地域での生活課題をめぐって、市民と代表者が、ともに当事者となって民主主義の広場で議論し、自治体運営について決めていける場をつくっていくことにつながります。
 そのような政治を実現していくことが、生活の安心が揺らぎ、地域の「自己責任」が問われるいま、自分たちの力で安心できる生活とそれを支える自治体をつくっていくためには、不可欠な課題となっているのではないでしょうか。

 1.議員同士が責任を持って自由に討議する議会にすること。

 市民の多様な声を代表する議員が、自ら議案を提案し、自治体運営全般について討議し、地域の意思決定を行っていく場をつくり出すこと。自由な討議形式等の導入することです。


 現在の自治体議会は、議案については質疑を中心として審議を行い、大半を占める行政提案の議案について、行政職員に対して質問をすることが中心になっています。これは賛否の意見の表明ではなく、内容についての疑問を質すことが趣旨であり、また、議員間のやりとりではありません。
 採決の前に行われる「討論」は、賛成か反対か、どちらかの立場に立っての発言であり、議員相互の討論という形にはなっていません。

 議会活動のもうひとつの軸となっているのは、代表質問(会派などがある場合)、一般質問という「質問」の時間です。これは会派を代表して、あるいは議員個人として、自治体運営に関する事項を行政に対して質問することで、議員による政策提案などの内容を含むことは多いのですが、議員同士の討議は行われません。

 (上ノ国町議会は質問時間と答弁時間を合わせて60分以内です。渡島管内福島町議会は質問時間45分、答弁時間45分の90分以内となっています。)

 民主主義の広場としての代表機関の役割を考えるとき、多様な意見を代表する複数の代表者である議員が、相互に自由な立場で討議し、争点を明らかにし、意見の相違や共通点を確認し、よりよい結論にいたる過程を、市民の目の届く公開の場で行うことは必須なはずです。
 現在の議会の議事運営の中で、そのような場が設定されていないということは、議会の現状のもっとも深刻な問題点というべきではないでしょうか。

 議員同士の討議があまり行われないひとつの理由は、議案のほとんどが行政提案であり、提案者との間のやりとりが中心にならざるを得ないということにあります。議員による提案や調査報告などがもっと盛んに行われるならば、自ずと議員同士で討議をしなければならない場面は増えてくるはずです。

 また、議会日程の中に、議員同士が討議をする場を設定することも必要です。委員会による議案審査の中に、質疑とは別に議員同士の自由な討議を行う場を設定することも必要ですし、本会議のなかで、行政への質問ではなく議員同士で自治体運営全般について自由に議論を行う会議を設定することも望まれます。

 【参照】

 ◎都道府県議会制度研究会報告 
 「議員同士による審査・調査による政策提案の方途を講ずる必要がある。議会の政策提言機能を発揮するためには、首長から提出された議案審査だけではなく、議員同士が論議し、決議等の形で首長に提言することが求められる。そのためには、議員同士の自由討議を本会議・委員会を問わず積極的に実施すべきである。」

 ◎栗山町議会基本条例
 (議員の活動原則)
 第3条 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議の推進を重んじなければならない。


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Posted by おだっちの菜の花油 at 12:45Comments(0)思  い