2014年02月03日
“NHKの独立はどこに?” 新会長の発言に海外紙が懸念
“NHKの独立はどこに?” 新会長の発言に海外紙が懸念
籾井勝人NHK新会長は、就任会見で行った慰安婦問題や領土問題に関する発言について、30日に衆議院予算委員会で説明を求められた。慰安婦問題については私見であったと謝罪したが、他の発言については撤回を拒否し、辞任も否定した。一連の答弁をめぐり国内でも議論が起きているが、海外メディアはどう報じているか。
【米各紙は新会長の政府寄りな姿勢を強調】
ニューヨーク・タイムズ紙は、籾井会長が就任会見で「政府が右というものを左と言うわけにはいかない」と発言したことを伝え、さらに特定秘密保護法や首相の靖国参拝についも批判的立場をとらないこと表明し多くの記者を驚かせた、と報じた。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙も「会長は尖閣問題などについての報道は政府見解と一致したものであるべきと主張した」と伝えており、各紙とも新会長が政府寄りの立ち位置になっていることを強調する内容となっている。
【中国・韓国は怒り爆発】
香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙は、籾井会長の発言を「日本報道界の長が国粋主義の帆柱をあげた」と表現した。さらに「籾井は尖閣諸島や竹島が日本固有の領土と主張し、更に慰安婦問題についても解決済みと言い放ち、中国・韓国の怒りを買った。それだけでは飽き足らず、特定秘密保護法についても支持を表明し、日本国民まで敵に回した」と報じている。
【どうなるNHKの公共性】
ニューヨーク・タイムズ紙は、NHKに対する政府の関与と影響に深い懸念を示している。そもそも前会長が突然退任したのも、NHKが原発や沖縄の基地に批判的な報道をしているとの理由から安倍首相に追い出されたのでは、と分析する向きもあったと報じている。
その原因を、同紙は、NHKの人事システムにあると指摘する。NHK会長はNHKの経営委員会が任命するが、そもそもその経営委員会を選任する権限を持つのが首相である。そのメンバー12人のうち4人は安倍首相が任命した人物だという。
元NHK記者の川崎泰資教授(椙山女学園大学)は「安倍首相はNHKのトップにお友達を揃えて報道を政府寄りにするつもりだ」と語ったと同紙は伝えている。この状況をサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙は「いったいどこに独立性があるんだ?」と強い疑念を表している。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、NHKが安倍首相からの圧力を受けるのは初めてではないとのことだ。例として、元NHKアナウンサーだった堀潤氏が、アメリカの原発事故に関するドキュメンタリー映像を制作したことで上層部より聴取を受け、昨年退職したことをあげている。
原発推進派である安倍氏の傘下では、原発の安全性を疑問視する内容は御法度ということだ。現在フリージャーナリストとして活動する堀氏は、NHKを「もはや権威に反する発言ができない場となってしまった」と嘆いているとのことである。
30日には、経済学者の中北徹教授が、NHKから「都知事選中は原発問題に触れないでほしい」と言われたことで、20年レギュラーを務めていたラジオ番組を降板した。ニューヨーク・タイムズ紙は民主党・原口一博議員の「NHKが政府の広報機関になっていしまうのではないか」という発言をとりあげ、野党および国民の間でも懸念がでている、と伝えている。
2014年2月3日(月)18時33分配信 NewSphere




Posted by おだっちの菜の花油 at
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2014年02月03日
出直し市長選 「橋下予算」宙に、職員ため息「組み直し」
出直し市長選 「橋下予算」宙に、職員ため息「組み直し」
市長の突然の辞職意向が、生活に直結する大阪市の予算案を“直撃”している。「大阪都構想」の民意を問うとして橋下徹大阪市長(日本維新の会共同代表)が打ち出そうとしている出直し市長選。
同市では市長の独自施策を盛り込む平成26年度の予算編成が最終調整段階に入っており、職員は「予算を組み直すことになるのか…」とため息をつく。市長肝煎りの公募制度で就任した校長や区長の間にも「改革が止まってしまうのでは」と不安が広がった。
「今は粛々と仕事を進めるだけ」-。騒動の中心である大阪都構想の制度設計を進める府市大都市局では3日午前、職員らが通常通りに仕事に取りかかっていた。これまで、法改正に関する国との交渉、都に移行した場合の財政シミュレーションなどを行ってきたが、橋下市長と他党の対立が決定的となる中、都構想の行方は不透明感を増す。
予算案は今月28日、市議会に上程する予定。西成区の活性化を目指す「西成特区構想」、私立幼稚園が障害児の受け入れを促進するよう財政支援する制度など橋下市長肝煎りの施策について予算がつく方向で編成作業が行われてきた。
しかし出直し市長選になれば、別の市長が当選した場合の想定も必要で、人件費や社会保障費など、最低限必要な項目を盛り込んだ予算へと組み直さなければならない。予算編成に携わる市幹部は「トップが決めたことに従うしかない」と肩を落とす。
都構想と並ぶ橋下市長の重要公約である市営地下鉄・バスの民営化を目指す交通局の幹部は「市長選の有無にかかわらず、民営化を粛々とやるだけだ」と述べるにとどめたが、別の部署のある幹部は「都構想だけが市政の課題ではないのだから、もう少し落ち着いて仕事をさせてほしい」と眉をひそめた。
公募制度で民間から転身した区長や校長の間には動揺が広がる。ある区長は「橋下市長の市政方針に共感して区長になった。もし市長が代われば、進退も含めて自分の立場を考えなければならない」と緊張気味。また別の校長は「教育改革はまだ道半ば。市長選の結果次第では、元の姿に戻ってしまうのではないか」と危惧した。
産経新聞 2月3日(月)15時15分配信




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